『オールサイ藤ニッポン』をプレイ! 斉藤、齋藤、サイ藤……「サイ藤さん」ってこんなにいるの!? ルールは単純、漢字は複雑。知ってるようで知らない「サイ藤」の数々に驚かされる、ワクワクの神経衰弱ゲーム!

集まれ! 全国の「サイ藤」さん!

プレゼントキャンペーンに当選してアークライトさんからボードゲームを無償で貰っちゃいました! 早速遊んだので、ファーストインプレッションをご紹介。

オールサイ藤ニッポンとは?

ゲーム概要

上の部分を引き出すとこのゲームの魅力が書いてありますよ
  • ゲームデザイナー:中村誠
  • イラストレーター:上林将司
  • パブリッシャー:アークライトゲームズ
  • 発売年:2020年
  • プレイ人数:1〜8人
  • プレイ時間:10〜30分
  • 対象年齢:6才〜

『オールサイ藤ニッポン』は全国に多数存在する「サイ藤」さんの「サイ」の漢字で遊ぶ神経衰弱ゲーム。ゲームデザイナーの中村誠さんは色んなアナログゲームに関わっている有名な方で、最近はマーダーミステリーの『魔女の聖餐式』を発売したことでも話題になってました。恥ずかしながら今回調べて知りましたが、TRPG「サタスペ」の情報収集ルール作りをしていたり、「金色のガッシュベル!!」のTCGなんかも作っておられたようですね。アナログゲーム以外にも「探偵 神宮寺三郎シリーズ」でシナリオを書いてたりも。多才な方。

今回のこのゲームですが、自分で買っておりません。コトの始まりは6月のTwitter。アークライトゲームズさんから以下のプレゼントキャンペーンが告知されました。

Twitterでのキャンペーン

『オールサイ藤ニッポン』をレビューしてくれる方を募集してプレゼントするという企画。ただ、「ご応募いただいた方の中からフォロワーの多い方や楽しく情報発信してくださりそうな方を優先で〜」とあったので「フォロワー少ない自分は無理かなあ」と思いつつ、せっかくブログも作ったし一応応募してみよう、とポチッと応募。

そしてそんなこともすっかり忘れた7月某日にアークライトさんから謎の封筒が届きます。「なんかあったっけ?」と思いながら開けると——。

当選!?

なんと当選してしまいました。

もはや応募してたことも忘れてた体たらくなのですが、なんだかんだ当選したことはとても嬉しい!

——というわけで、約束通りレビューを書かせていただきます!

前置きはここまでで、ゲームの概要にいきましょう。

箱の中身

箱に入ってるのは全部で54枚の丸いカード。5枚のルールカード、1枚のサイ知識カード、そして48枚の「サイ藤カード」です。

48枚の「サイ藤カード」は裏は全て同じ「藤」が書かれてますが、表には様々な「サイ」の漢字が書かれています。内訳は24種2枚ずつ。表裏で24種の「サイ藤さん」が出来上がってるということですね。

様々な「サイ藤」

ちなみに、「西藤」とか「才藤」とか別で一般的な「サイ」の漢字を除くと、常用漢字なのは「斎藤」「斉藤」のみ。また、この2種の「サイ」の旧字体に当たる「齋藤」「齊藤」を含めた4つの「サイ藤」が現代でごく普通に使える漢字だそうです。それ以外は現代では非常に特殊な「サイ藤」になります。

色んな「サイ」ができた理由は諸説あるようですが、「書き間違い」というのが間違いなくあるようです。まあ日本って漢字の使い方がゆるい時結構ありますもんね……。

実際、ゲームを遊んでみればわかりますが「こんな『サイ』があるの!?」と驚くようなものばかり(笑)。どんな「サイ」が出てくるかは、この後の実際のプレイ記でぜひご覧ください。

ゲームの流れ

『オールサイ藤ニッポン』には、そんなたくさんの「サイ」で遊べる5種類のルールが入ってます。次はそれぞれの遊び方を簡単にご紹介しましょう。

遊び方1:サイ藤衰弱

いわゆる神経衰弱です。48枚の「サイ藤カード」を全て裏向き(藤を上にする)で机に並べます。あとは手番の人が2枚めくり、同じ「サイ」をめくったらそれを獲得。違う2枚をめくったら裏に戻して次の人、というのを繰り返します。

最終的に全てめくられたらゲーム終了。一番多くの「サイ」を集めた人の勝ちです。

遊び方2:サイ速アタック

遊び方1の『サイ藤衰弱』でタイムアタック! とにかく早く全てめくり切ることを目指すゲームです。1人でもプレイできます。

クリア時間によって様々な称号がもらえます。最速でクリアして、「名状しがたきサイ藤」の称号を得よう!

遊び方3:リアルタイムサイ藤

『サイ藤衰弱』と同じように全て裏向きの状態から始めて、2枚の同じ「サイ」を集めるゲーム。ただし、『サイ藤衰弱』と違って手番順はありません。全員同時にスピード勝負で同じ「サイ」を探してかき集めるのです。

一度めくったら裏に戻す必要もなし。とにかくめくって、同じ「サイ」を見つけたら素早くゲット!
ただし、ゲーム終了時に間違った組み合わせをゲットしていたら失格になるので注意。

遊び方4:サイカルタ

名前の通り、カルタ風の遊び方。24種2枚ずつの「サイ藤カード」を24種1枚ずつの山2つに分けて、片方を表向き(「サイ」が見える向き)で並べ、もう片方を裏向きの山にしておきます。

その後は裏向きの山から1枚めくり、それと同じ「サイ」を表向きの「サイ」から探し、素早くゲット!
これを繰り返して、最も多くのカードを獲得した人の勝ち。

遊び方5:お口でいって!

最後の遊び方はちょっと特殊。48枚全ての「サイ藤カード」を表向きで机に並べます。プレイヤーの中から1人が読み手(親プレイヤー)になり、読み手以外のプレイヤーは目を閉じます。その間に読み手は場から好きな「サイ」を1枚取り、その「サイ」がどの「サイ」なのかを口で説明します。

読み手以外のプレイヤーは、読み手が口で説明した内容から該当の「サイ」を推測し、早い者勝ちで獲得。早く正解したプレイヤーがそのカードを点数としてもらえます。また、正解者が出れば読み手も読んだカードを点数としてもらえます。(ただし、誰も正解できなかった場合には読み手の点数も無しに)

読み手は時計回りで交代。最終的に多くのカードを獲得した人の勝ちになります。「言葉で説明するってなんだ?」って思った方は、ぜひこの後のプレイ記を見てくださいね!

——ルールは以上です。特に難しいものはないですね。
では、早速遊んでみた様子を見てみましょう! 次はプレイ記です!

Let’s Play!

なかなか人と集まるのも難しいご時世(執筆当時)ですが、さすがにこのゲームは父親と二人プレイは微妙。

ということで、今回は還暦越えのと還暦未満の(年齢秘密☆)を加えての三人プレイでお試しです。母は父と違ってゲームには疎いですが、今回のは簡単そうなので遊べるはず。

では、いってみましょー。

遊び方1:サイ藤衰弱

まずは一番普通の遊び方、神経衰弱的ルールの『サイ藤衰弱』で遊んでみましょう。48枚のカードを「藤」を上にして机の上に適当に並べます。24種の「サイ」があることは説明しましたが、私自身もどんな「サイ」があるのかは見る前に並べてるので、どんな珍しい「サイ」が出てくるのか楽しみです。

藤、藤、藤、藤、藤、藤、藤、藤……

簡単にルールを説明しますが、神経衰弱とほぼ同じルールなので、ゲームに疎い母でもすぐにOKに。ジャンケンの結果、父→母→私の順番に決定です。

まず父の一手目。何のヒントも無いので適当にめくります。何が出るかなー?

「齋」藤が出ました

一枚目は何と「齋」です!

……まあ全部「サイ」ですけどね。ただ、この「齋」は最も一般的と思われる4つの「サイ」の中の1つで、「サイトウ」で変換すれば十中八九変換可能な「サイ」です。サイ先の良いスタートです。

それに対する二枚目は……?

「サイ」でした

「サイ」です。もう私のフォントでは変換不能の「サイ」が来ました。まあ普通のフォントでは24種中4〜6種しか変換できないんで当たり前なんですけどね。

一枚目と比べると最上部の「なべぶた」と上側右の「氏みたいな部分」以外全部違うようです。というか上側左の「ちょんちょん」(二本斜め線のこと)とか初めて見たなあ。これを見せられて「サイ」って読む自信が無い。

何にせよ違う「サイ」だったので父の手番は終わり。続いて母の手番。まず一枚目。

「サイ」としか言い様のないもの

今度は上側左が「タ」の「サイ」です。こちらも初見だなあ。そして二枚目は……。

左上のがさっきの一枚目、右下が二枚目です

……ん? だいぶ似てるぞ? もしや早速ラッキーペアが完成か?

母「あれ、これ一緒じゃない?」
私「——あ、ちょっと待って。上の真ん中が違うわ

よーーーーく見ると、上側真ん中が一枚目(画像の左上)は「」に対して二枚目(画像の右下)は「Y(ワイ)」みたいな形してます(※)。それ以外は全部一緒だけど、違う「サイ」のようです。残念。
※実際は「ワイ」ではなく訓読みで「あげまき」と読む3画の漢字の形らしいです。ただ、プレイ中は全員で「ワイ」と呼称してた上に特殊漢字なので、この記事では「Y(ワイ)」で表記してます。

続いて私の手番。二枚をペラリペラリとめくります。

揃わず

画像の右上が一枚目に引いた「サイ」、左側が二枚目の「サイ」です。揃わず。

私「でも一枚目とかいつも見る『斉』じゃない? 二枚目もいつものに似てる気がする」
父「あー、そんな気はするな」

そんな会話をしつつ、手番が回っていきますが、なかなか揃いません。ですが、少し回ったあとの父の手番の一枚目。

おや、見覚えのあるやつだ

父「お! これは出たやつじゃないか!?」
私「あー、最初に見た気がする。お父さん、場所覚えてるかー?」

ぬぬ、ついに最初のカードを取られるか? 父親の二枚目は……。

最初にめくった「齋」をめくった! ……が?

う、ちゃんと場所覚えてたか。最初にめくった「齋」を当ててきました。

父「よし! これで取ったろ!」
私「くそー、取られたかー。……うん? ちょっと待って。これも上側真ん中が違うわ
父「え? ……あ! ホンマや!」

私も間違えて覚えてましたが、よく見ると母の時の違いと同じく上側真ん中が「」と「Y」で違います。一枚目の方は変換できない「サイ」でした。またもや残念。

またしばらく揃わずにぐるりと手番が回り、母の手番。めくったのは——。

お、また見覚えがある

私「あ、最初に俺がめくったやつか?」
母「え、出てたっけ? 全然覚えてない……」

よしよし、母が失敗すれば私が取れそうです。悩んだ末に母が選んだのは私が覚えてるのとは違うカード。よし、これで——。

右が一枚目、左が二枚目

……ん? あれ? 同じ?

私「え、そんなはずは——」
母「やった、正解じゃない!?」
父「……あれ? ちょっと違くないか?」
私「んん……?」

よくよくよーーく見ると……画像左の「サイ」は下側が完全な「月」になってるのに対して、右の「サイ」は上側が飛び出していて「月」とはちょっと違う形。

私「あ、違う形なの!? そこ違うことあるの!?」

そんな微妙な違いがあるとは思いもよらず、頭が軽いパニック状態に。何にせよハズレだったようです。というか、一般的な「斉」だと思ってましたがよく見るとどっちも「斉」とは違う「サイ」です。(「斉」は下の横線が二本)

——でもラッキーなことに私が記憶してるやつはこのどっちかなのは間違いないはず。先に覚えてるのをめくって、「月」か飛び出してるやつかを確認すれば揃えられるはず!
続く私の手番でめくった結果は——。

「文」と「月」の「サイ」で揃った!

「文」の下に「月」の「サイ」でようやくペア完成! ついに1ペア目をゲットです。

ペアが出来たので連続手番。適当に一枚目をめくると……?

真ん中が「了」の「サイ」

お、これは見たぞ! 父が「了」と「Y」の違いで間違えたやつだ!

私「これは覚えてるぞ。よっしゃ、連続ゲットだ!」

二枚目めくり 揃った——?

私「よし、これで2ペア目——ん?」
父「……あれ、ちょっと違くないか?」

若干の違和感。何か違うような……?

私「……あ、下側の『示』の横棒がくっついてるのと離れてるのがある!?
母「え。どこどこ?」
私「ほら、ここ、下の横棒。一枚目のは離れてるけど二枚目のはくっついてる」
母「……あ! ホントだ!」

微妙な差が

いや、ちょっと、めっちゃわかりにくい。こんな微妙な差があるなんて聞いてないですよ。まあそういうゲームなんですけども。

もはや全員大混乱。謎の「サイ」が大量に現れて全くもって記憶できません。どんどんめくっていきますが、もう全くもって揃わない。

違うのはわかるけどどう違うか記憶できない
上側右にまた新しいのが……

母「もう何がどこだったか全く覚えてないんだけど」
父「どれをめくったのかすら忘れてる」
私「俺もおんなじのをめくってる気がする……」

ちょっとナメてました。予想以上に覚えられない。というか何で覚えればいいのかの基準がなかなか見い出せません。数字って偉大だったね……。

母「これ同じのあるんだよね?」
私「そりゃあるよ。神経衰弱と同じ。全部2枚ずつ」
母「え、2枚ずつ? 普通の神経衰弱って4枚あるよね?
私「……あー、確かに。それより難しいのか」

言われてみればトランプで行う一般的な神経衰弱は同じ数字が4枚あったな。トランプだと13種4枚ずつに対してこっちは24種2枚ずつ……覚えにくい上に揃いにくいのか。そりゃ難しいわけだ。

とはいえ、できることはとにかくめくることだけ。めくっては手番を回していきます。そうすると、ちょいちょい面白い「サイ」との出会いが。

父&私「「 !? 」」

絶対見たことない「サイ」が出てきました。下に「肉」。こんなの実在するのかと疑念が湧いてくるやつです。いやウソは無いのであるんでしょうけども。誰が作ったんだろう……。

父&私「「 !? 」」

「肉」の次は「魚」。ちょっと何言ってるのか分からなくなってきました。母はもう頭が追いついてない様子。

真ん中に「弓」

私「『弓』なんてのもあるの……」

そんな大混乱の現場。ですが、大量にめくり、同じのも何回もめくった気がしたところで、ようやく少しは覚えられるようになってきました。そしてついに二枚目の「齋」を発見。

「齋」を確保ー!

私「これは覚えてる! ……よっしゃ、ゲット!」
父「あー! せっかくそれだけは覚えてたのに!」

しかし、父も負けじと引いてきます。

肉のダブル

父「『肉』はさすがに覚えてる。取った!」

ついに父も獲得。くそー、私も「肉」の位置は覚えてたのに……。

「肉」とか「魚」とかわかりやすいのは何とか獲得できましたが、残りが減ってくると覚えにくいのばかりが残ってきました。だんだん全員の喋る言葉が呪文のように。

父「カタナ、ワイ、シ、シメス……カタナ、ワイ、シ、シメス……」

私「えーっと、『タ』と『示』があそこで……なんか『ちょんちょん』のやつが……」

母「(めくりながら)あ! これは『サイトウさん』の『サイ』だ! これは覚えられる!」
私「いや、全部『サイトウさん』の『サイ』だよ!
母「そうだけど! これは私の『サイトウさん』の『サイ』なの!

もう自分でも何言ってるのか分からなくなってきました(笑)。

ただ一つ間違いないのは、三人とも笑いながら喋ってることでしょうか。楽しんでるのは間違いなさそうです。

だんだん減ってきました。

なんだかんだとゲームは進み、枚数が減ってきました。最初は大混乱でしたが、さすがに枚数が減ってくれば若い記憶力が優位性を見せ、私が順調に枚数を重ねていきます。

私「これも覚えてる! ほら!(めくり)」

めくり

私「……あれ? 違った?」
父「おう、違うぞ」

……まあ、おんなじミスを繰り返したりもしましたが。

想像以上の時間がかかりましたが、何とかゲーム終了。最終結果は——。

左が父、右が母、真ん中が私

獲得したのは、父が8種、母が1種、私が15種で、私の勝ち!

遊び方3:リアルタイムサイ藤

遊び方2の「サイ速アタック」は一人向きっぽいので飛ばして、次は遊び方3の『リアルタイムサイ藤』で遊んでみましょう。

先ほどと同じように48枚のカード全てを「藤」の面を上にして机に並べます。

とりあえず裏向きでセット

やることは先ほどの「サイ藤衰弱」と同じで、カードをめくって同じ「サイ」を揃えて集めるのが目的。ただし、今度は順繰りの手番ではなくリアルタイムに、同時にめくって探すスピード勝負です。一度めくったものを裏に戻す必要もなく、他人がめくったやつで揃ったのを見つけても即確保です。

私「とにかく同じ二枚を見つけたら手元に取って、またすぐに次のを探すのを繰り返してね。最後は場札が無くなるか、明らかに揃ってないカードだけが残ったら終了で。間違って取ってたら失格だから気を付けてね」

父&母「はーい」

ちなみにリアルタイムで写真を撮る余裕が無いため、私は左手のiPhoneでムービーを撮りながら参戦です。片手しか使えませんが、年齢分のハンデということで。

そのため、この後の画像はムービーからの切り出し画像になります。当然画面を見ずに録画してるのでどんな画が撮れてるかは不明。画質も少し悪いのでご容赦を。使える画が撮れてるかな……?

私「それじゃ……よーい、スタート!」

スタート!

とりあえずみんな適当にめくっていきます。

母「これ探せないんだけど(笑)。他の人の見てる余裕無いよー」
父「肉、肉……」
私「う、うーん」

数秒間はテキパキめくり続けた一同ですが、十数枚くらいめくれたところで全員の手の動きが明らかに鈍りました。理由は単純、めくった「サイ」が何の「サイ」なのかを瞬時に覚えられないので、めくるスピードに頭が追いついてないことに気が付いたからです。

ほぼ手が止まった状態で表になったものから同じ「サイ」を探そうとしますが……全然見つからない。「同じのめくれてないなー」という意味の見つからないではなく、「(急ぐあまり)それぞれの『サイ』の特徴が認識できなくて同じかどうか判断できない……」という感じ。脳のオーバーヒートを感じます。

私「お、これは——あー、似てるけどちげえ(笑)」
母「あー。よしよし、これを探すぞー」

手は伸ばせど取るには至らず

見つからないと感じてまた全員めくりを再開。全員めくりながら探してるつもりなのですが、探せてるかどうか怪しい。その証拠に八割くらい表になったのに2〜3組くらいしか取られてません。

母「私の欲しいのが無い。……ん? ん?」
父「あった、これだ!」
母「ちょ、ちょっと待っ……あー取られた!」

どんどんめくられていく

かくいう私もなかなか見つけられず。「えー」だの「あー」だの言いながらようやく見つけたものを獲得。

私「どれだどれだ……あーこれだこれだ」

この右手は私。ようやくペア確保

母「あっ!……あー、違う違う(笑)。——もう開くしかないよね? わかんないもん」
私「まあ最終的にはそうなるね」
父「お、あったあった。魚魚。」

全部表に

全部のカードが表になりましたが数組しか取られてません。あとは表の中からいかに早く同じ「サイ」を見つけるかのスピード勝負に。

私「やばい、思った以上に見つからない」
母「これかな? いや違う違う……」

全部表になってるのに全然スピード感の無い勝負が繰り広げられます。還暦前後の父母はともかく、まだ若いつもりの自分が全然見つけられないのは結構悲しいな……。

こんなに表になってるのに全然手が伸びない父と母と息子

母「あれ、取ったやつ大丈夫かなぁ」
私「どちらにせよ戻せないし、取ったのは忘れて次探すしかないよ」
母「そうだよねー」

わいわい言いながら探す一同。スピード感は皆無ですが、ちょっとずつ減っていきます。

父「……チョンチョンで……」
私「これとこれと……」
母「これ同じ……いや違うね。絶対誰か間違えて取ってるでしょ
私「(笑)」

枚数が減ってきて、明らかにペアが見つからない——つまり場に1枚しかないカードが出てきます。これが示すのは誰かが間違えたペアを取ったということ。若干の不安を覚えつつ、とにかくゲームを進めていきます。

母「(1枚を示しつつ)……これやっぱり無い。誰か間違えて取ってるなー」
私「(母が示してた1枚を取りつつ)これとこれだ!」
母「え!? 同じのあった!?」
私「あったよー。へへへ」

画像の手は父親。二枚を取ろうとしてるけど……?

母「(父が取ろうか悩んでる1枚を見つつ)……あ!」
父「(悩んでた手を離しつつ)あ、違う。危ない危ない」
母「(父の手が離れた1枚ともう一枚を取りつつ)よし! よっしゃー、これだぞ絶対」
父「カタナに三本、カタナに三本……あったあった」

そしてついに場札が残り4枚に。

残り4枚の場札

私「残りはこの4枚で……うん、明らかに違うね
父「誰か間違ってるってことだな」
母「でしょー? さー、間違ってる人出してくださーい。私は絶対に間違ってない!

何かフラグめいたセリフを聞いた気がしますが、何はともあれここでゲーム終了。ちなみにスタートから終了まで約4分かかりました。意外と長かったなあ。

最後は得点計算+ミスチェック。全員で獲得したペアを確認していきます。その結果は……

父の獲得ペア
私の獲得ペア
母の獲得ペア

父が12ペア、私が6ペア、母が4ペアを獲得。スピード勝負は取った数にも性格が出ますね。

しかし確認の結果、父は12ペア中3ペアがミス(違う「サイ」の組み合わせ)、母も4ペア中1ペアがミスであることが判明。

父が間違えた3ペア
母が間違えたペア

よく見ると父が間違えたペア(左画像の左下のペア)と同じ間違いのペアを母も取ってます。仲良し夫婦ですねえ。でも失格です。

——というわけで、父・母が失格となり、私が6ペアで勝利! ほぼ不戦勝だな!

遊び方4:サイカルタ

続いては『サイカルタ』。先の『サイ藤衰弱』『リアルタイムサイ藤』とは異なり、24種2枚ずつあるカードを24種1枚ずつの2つの山に分け、片方は表向きで場に並べ、片方は裏向きの山にします。

正直なところこの準備が結構めんどくさい。1つ見分けるのも面倒な「サイ」を24種全部見分けて山を作らなきゃいけないので……。今回は『リアルタイムサイ藤』の後でほとんどが2枚ペアになってたからまだ楽でしたが、全部混ざった状態からこの作業しようと思ったら始める前から辛そう。

なんだかんだと準備完了

まあ枚数は少ないので、面倒なのは気持ちだけで時間はそこまでかかりません。ルールも一般的なカルタと似たようなもので、裏向きの山からめくった「サイ」と同じ「サイ」を探して素早く取るだけ。父母もすぐにルールを理解したようです。

というわけでレッツプレイ。こちらも手番のないスピード勝負なので、私は左手でムービーを撮りながら参戦です。

山をめくるのは私が担当することに。最初にめくれたのは——

動画に映ってなかったので、『サイ藤衰弱』の画像を流用してます

私「…………」
父「…………!(手が伸びる)」
母「…………はいっ!(バシッ)」

右から伸びてるのが母、左下から伸びてるのだ父の手

父「あー! 一番間違えないやつが!」
私「くぅ、遅かった……」
母「やったー。よっしゃ!」

最初のカードはまさかの「肉」の「サイ」。一番わかりやすいタイプでしたが、純粋に母の発見スピードが速く取られてしまいました。ぐぐ、まさか母にスピードで負けるとは……悔しい。父も手が伸びてたのに対して私は手が出てすらいなかったので一番遅かったとも言える。

母が早速1組ゲット

取った人は山からめくったカードと合わせてもらっておきます。

母「『肉』のは1組しかないんだもんね?」
私「そうそう」
父「じゃあ次は『魚』の場所を覚えておけばいいな」

「肉」と「魚」の「サイ」はわかりやすいからね。とはいえまだこれが1枚目。いつ出てくることやら。

連続して負けるわけにはいかない、と気合を入れ直して次へ。

私「じゃあ次めくるよー。はい!(めくり)」

山からめくり

父「はい!(バシッ)」

瞬息

母「うわー! もう出たじゃん、魚! 早!(笑)」
私「魚出た(笑)」
父「ゆってるしりから出てきた(笑)」

2枚目はまさかの「魚」の「サイ」。予想外の展開で全員大笑い。父も方言が出るくらいにびっくりしつつ、1組目をゲットです。

父が狙っていた「魚」を見事ゲット

そして私はまさかの二連敗。ぐぬぬ、このまま負けるわけにはいかないぞ。

私「いくよー。次はこれ!(めくり)」

わかりにくいですが、真ん中下の「サイ」がめくったカード

私「……」
父「…………」
母「…………スッ(静かにカードに手を置く)

母がカードに手を

母「(直後、素早く手を離しつつ)……あーっと! 触っちゃった!」
私「あー、残念。それは違うやつだね」

誰よりも早くカードを触った母ですが、本人もすぐに気付いた通りで残念ながら間違い。お題の「サイ」は上の右側がカタカナの「ン」のように短い斜め線が1本なのに対して、母が触ったのは「シ」のように短い斜め線が2本の「サイ」。微妙な差で失敗です。

これで母はこの手番は脱落。私と父の一騎打ち状態となりますが——。

私「……これか!(バシッ)」

右下から伸びる私の手

私「(取ったのをよく確認して)……よし、合ってるな」
母「そうだねー。この『Y』と『タ』で焦って取っちゃったな……」

私もようやく1組目の「サイ」をゲット

ふー、危ない。これで私も1組ゲットで点数で並びます。

父「やっぱ覚えとかないとダメだなー」
母「でも似てるもん。覚えられないよー」

どっちもその通り。というかそういうゲームだね!

この後も、なかなかに熱い戦いが繰り広げられます。

私「次めくるよー。はい!」
父「……トン(素早く手を伸ばす)」

私「(取られた瞬間)あ! くそう、遅かった……」
父「ふっふーん」
母「あれ? それ合ってる?」
父「……あれ、合ってない!?」
母「ほらー! (お題は)『了』だもん。それ『Y』でしょ」
私「え? ……ホントだ! 俺も間違えてたわ! それかと思ってた(笑)」

てっきり取られたかと思ったら間違い。やっぱり真ん中の『了』と『Y』の差は難しい。危うく私が脱落するところでしたが、先に間違えた父が脱落し、母と私で勝負となり……。

母「…………(バシッと手を置きながら)これ! ——あ、違う? 間違った?」
私「(そのすぐ横でカードを取って)これだ!」

母も惜しいところで間違い、直後に私が正しいのをゲット。

母「うあー、やっちゃったー」
私「よしよし」

これで私がリードしたと思ったら、その直後に母が2連続で獲得。

母「(カードを取りながら)これだよね?」
私「合ってるよ」
母「もー、怖いよ。そっと取っちゃう(笑)」
私「(笑)でも、意外とお母さんに取られてるな……」
母「ね。記憶しなくていいし、これならいけるかも」

そしてまた次は——。

めくり
2つの手が同時に伸びる!
ほぼ同時だけど——?

父「あー!」
私「よし!」

カードをめくってすぐ、ほぼ同時に反応した私と父ですが、私の手が下へと滑り込み、カードに先にしっかり触れたのは私の手。熱いカルタの戦いです。

熱い戦いは父と母でも。

私「次!(めくり)」
母&父「「はい!(バシッ)」」

父(左側)と母(右側)の手が同時に伸びる

素早く反応した父と母がほぼ同時にカードに触れます。今回は指も重なってないので判断が難しいところですが——。

父「今のは(手を置いたタイミングに)微妙感あったなー」
私「だね。しかもそれ違うよ
母「え!? ウソ!?(笑)」
父「あれぇ!?(笑)」

父と母が仲良く間違えたので私はじっくりと探してちゃんと正解をいただきました。

母「くそー! せっかくサイトウくんの「サイ」だったのに!」※全部そうです
私「二人同時に自信満々に取ったのにね(笑)」
父「ちなみに動画撮ってるの? もし正解だったら今みたいなのも動画を巻き戻せばどっちが早かったか検証できるな」
私「確かに。画面見てないからちゃんと映ってるかわからないけどね」

ちなみに動画で見ると1フレームの差で母の手の方がカードに触れるのが早かったです。どっちにしろ今回は間違いだけどね!

この後も一進一退の攻防が続きます。徐々にカードが減っていくんですが、間違えるのにビビって素早く手が伸びない一同。「バシッ!」というより「スッ」と手を置く感じで取ったり間違えたりしながらゲームは続きます。

父「はい!(バシッ)」
母&私「「おおー」」

たまに素早く正解を取れると「おおー」と感嘆の声が漏れる環境に(笑)。

ビビってゆっくりとした戦いがしばらく続きましたが、残りが6枚くらいまで減るとさすがにスピード勝負に。ギリギリで取ったり取られたりが繰り返されます。

そしてラスト2枚。残り1枚は競えないので、これが最後の勝負。

残りは2枚。誰が早く取れるか?

私「それじゃラスト。いくよー」

私がお題をめくり
瞬間振り下ろされる母の手

母「(勢いよく手を振り下ろして)バシッ!!!!」

——まさに刹那の出来事。めくった瞬間に母の手がカードを叩く音が響きました。

私「ワハハハハハハ!!(大笑い)」
父「早(笑)」

上の画像、1枚目のお題めくりから2枚目の母の手が触れるまで、その間わずか8フレーム30fpsの動画なので約0.27秒の圧倒的な早業!

……いや、絶対ヤマカンで取っただろこれ!

母「もうお手つき覚悟で取るって決めてた(笑)」
父「まあ今の早さはそうだよな(笑)」

ただ、1/2とはいえ正解をヤマカンで当てた母の強運はさすがといったところ。その代償か勢いよく叩きすぎて手が痛いとか言ってますが。

何にせよ、これでゲーム終了。最終得点は……?

最終得点

私が11組、父が7組、母が5組で、私の勝ち!

遊び方5:お口でいって!

最後の遊び方は『お口でいって!』。名前の通り目的の「サイ」を口、つまり言葉で説明するゲームです。

まずは48枚のカード全てを表向きで並べます。

齋、斎、斉、齊、サイ、サイ、サイ……

うーん、「サイ」が見える向きで全部並ぶのを見てると脳に継続ダメージが入りそう。

親プレイヤー以外が目を閉じてる間に親がここから1枚取り、それを口で説明する。親以外はその説明の「サイ」を場から探して(2枚中1枚は親が持ってるので1枚だけ場に残っている)素早く取る、というルール。親は順番に変わります。

これまでと違って神経衰弱やカルタなど慣れ親しんだルールに基づいてないので、父母はルールに少しだけピンときてない様子。というわけで手本も兼ねて最初の親は私が担当することにしてゲームスタート。

父母が目をつぶってる間に1枚選びます。どれにしようかな……。

まずはこれ

まずは上の画像の「サイ」を選びました。これを口で説明します。

私「上側がタ・ワイ・カタナの反対みたいなやつ、下が2本のハシゴ」

これを聞いて場札に目を泳がせる父と母。

母「これかな?」

先に取ったのは母。取った「サイ」は……。

正解!

見事に正解。これで私と母はそれぞれカードをもらって得点ゲットです。

一回プレイして雰囲気は理解した様子の父と母。続いては父が親です。私と母が目を閉じます。

父「ニク」

私「……はい!(バシッ)」

「肉」の「サイ」をゲット。

もはや一言。まあこの場では「肉」の「サイ」は1種しかないですからね。父と私がカードをゲットです。

少しゲームが進み、また父親が親に。

父「(カードを取って)いくよー。ナベブタに、チョンチョン、リョウ、シ、……2本ハシゴで両端出てる
母「長いな!(笑)えーっと、両端……?」
私「『チョンチョン』はアレだよな……お、これか?(カードを取る)」

これかな?

父「おお、正解」
母「え、『両端出てる』って何?」
私「俺も最初『何だ?』と思ったけど、下側の『月』みたいな部分の縦棒の上側が飛び出してることでしょ?」
父「そうそう、そういうこと」
母「あ、そういうことねー」

この辺の微妙な感覚の違いがこのルールの面白いところ。とはいえ、これまでのプレイでそれぞれのパーツの形容の仕方は、三人の中である程度共通言語ができてます。ちゃんと説明すれば間違えることはそうそう無さそうです。

続いて私が親プレイヤー。説明する「サイ」を選びます。

続く私の手番で選んだ「サイ」はこちら

私「それじゃ俺の手番ね。……カタナ、ワイ、ウジ、シメス」
母「えーっと……あれ、これだよね? 似たのあったっけ? ……んー、これで!」

母が選んだのは?

私「残念、違いまーす」
父「それは『示』じゃないもんな。横棒が繋がってる」
母「あ、そうだったー」
父「それじゃあ後はワシだけか。ゆっくり探せばいいな」
私「そうね。間違えなければOKよ」
父「カタナ、ワイ、ウジ、シメス、だから……これか」

ゆっくりじっくり選んだ父だけど……?

母「それ違うでしょ」
私「違うね。『Y』じゃない」
父「え。……あ、ホントだ。『了』になってる(笑)」

まさかの二人とも間違いで私も点数もらえず。母の間違いはともかく、「ワイ」と口に出しながら間違いを選んでしまった父。何故……。

手番は巡って母親が親。

母「説明しまーす。ナベブタ、カタナ、ワイ、シ、……」

ここまでの説明で上側は一般的なやつだとわかります。勝負は次に来るであろう下側の言葉になるけど、「示」か「月」か、これをどう言葉にしてくるか……? 該当する場札を見つつ次の言葉を待ちますが——。

母「……サカナ
父&私「!!」

「示」タイプでも「月」タイプでも無え! しまった、出遅れ——。

父「ハイ!(バシッ)」
私「ぐあー! 取られたー!」

一番特殊なやつが来るとは思っておらず、動揺したところで父に先を越されてしまいました。くそー。

父「『魚』が最後に来るのは意外だったな(笑)」
私「ホントに(笑)」
母「いや、『魚』を最初に言っちゃうとすぐわかるかなーと思って。選択肢が多い方から言ってみた」

くっ、まさか母の方から積極的にエンタメ性を出してくるとは。色んな意味で負けられない。

またゲームは進み、またもや母が親プレイヤーに。

母「ナベブタ、タ、ワイ、チョンチョーーーンの、下2本ハシゴ」
私「えーっと……これか?」

ちょっと自信なさげに指を伸ばす

母「はい、正解です!」

よし、ちょっと自信無かったけどなんとか正解。

父「え、『チョンチョン』って言ってなかった? 左側の2本斜め線じゃないの?」
私「いや、右側にある逆向きの『ン』の2本線のことでしょ? 俺も『チョンチョン』でちょっと悩んだけどね」
母「いやいや、聞いて聞いて。ちゃんと(短い斜め線と長い斜め線を指して)『チョンチョーーーン』って言ったでしょ? 『チョンチョン』じゃなくて『チョンチョーーーン』って」
私「え、そんな言い方の差があったの!? 気付いてないよ!?(爆笑)」
父「『チョーーーン』(笑)」

言われてみれば的確な言い方な気はするけど、全く予想できなかったです(笑)。

この辺から、説明の言い方でいかに遊ぶかという、勝負とは別の戦いが混ざり始めました。これまでの上から順に言う流れだけでなく、「下側2本ハシゴで……」や「真ん中『了』で——」と別の部位から説明を始めたり、「縦棒2本に示す」など、わかる範囲で順番を変えたり言い方を変えたりと聞く側を少しだけ惑わしてきます。

今度は父が親。選んだところで説明を始めます。

父「ブン、両側に棒、横棒——」
私「(喋ってる途中で手を伸ばして)ハイ!
母「え、早い!」

説明を最後まで聞く前にゲット

説明を最後まで聞く前にカードをゲット。もちろん正解です。

私「もう上側が『文』のやつは場に1種類しか残ってなかったの分かってたからね。だから最初の『ブン』の時点でどれかは分かったのよ」
父「あー、そうだったのか。残りの種類までは考えてなかったな」
母「そっちかー。私はてっきり『ブン』って『1分・2分』の『分』だと思って……」
私「いや、その『分』が使われた『サイ』なんて無いでしょ!? 今までも出てきてないよ!?(笑)」
母「あれー? その辺にあったと思ったんだけど……(笑)」

母の頭の中に新しい「サイ」が生まれてました。この色んな「サイ」もこんな経緯で生まれたりしたのかな……。

今度は私が親プレイヤー。選んだのは……。

私「えー……カタナ、ワイ、チョンチョンチョーーーン、でシメス」
父「チョンチョンチョーーーン(笑)。みんな学習してきたな」

さっき笑わせてもらったので母の言い方をパクって……インスパイアされてみました。

ちなみにこの時は父がカードをゲット。母は「あ、そういえば私の言い方だったっけ(笑)」と既に忘れかけてました。

この後も父が「Y」を「トンボ」と言ってみたり、直後に母が「トンボ、チョンチョーーーン、シメス」とすぐにインスパイアされた言い方したりと、真剣な勝負に遊び心を混ぜた楽しいゲームが続きます。

そしてゲーム終了。最終得点は……

  • 父:15枚
  • 母:15枚
  • 私:16枚

わずか1枚差の超接戦でしたが、私の勝利です!

プレイ後の感想

いやー、なめてました。予想以上に覚えられない。「サイ」に愛しさを越えて憎しみを感じるレベルですね。冗談です。

さてさて、正直なところでは「いくらわかりにくいとは言っても、神経衰弱くらい大したことないだろー」とか遊ぶ前は思ってました。遊ぶ前は。

実際に『サイ藤衰弱』をやると、まあ覚えられない。トランプの神経衰弱だと数字しか基準が無いので数字の「大きい/小さい」を頭の中でマップにできるのですが、「サイ」の違いは多岐に渡るのでなかなか頭にマップが作れないのです。おのれサイ藤。

プレイ記にも書いた通りですが、最初の『サイ藤衰弱』では本当に覚えられなくて困りました。たった24種48枚にここまで脳をオーバーヒートさせられるとは……。私もまだまだ修行が足りないということか。でも、この「わかりにくさ」こそがこのゲームの面白いところですし、実際かなり楽しかったです。

……とはいえ、何回か遊べば「どう覚えるか」という基準もある程度はできてきますね。実際、後半は遊んだ三人に共通言語と言えるものもできてましたし。何回か遊んで慣れてくれば、ちょっと難易度の高い神経衰弱くらいの気持ちになりそうかな?
この手のゲームの弱点として、「最初は驚きがあるけど慣れると普通になってくる」は残りそうです。

一緒に遊んだ父と母にも感想を聞いてみました。「4種類の遊び方でどれがよかった?」と聞いてみたところ、

父「ゲーム的には最初の『サイ藤衰弱』かな。でも最後の『お口でいって!』がパーティゲーム感覚で一番面白かった。言い方に工夫したりとか色々楽しめそう」

母「私も『お口でいって!』かな。単純にワイワイ盛り上げる感じがする」

とのこと。父母は『お口でいって!』がパーティゲーム的なノリで面白かったようです。

私のゲーマー的視点では、『リアルタイムサイ藤』や『サイカルタ』のスピード勝負も好きでしたね。初プレイでは『サイ藤衰弱』が面白いと思いますが、「サイ」の違いに慣れてきたら記憶力とスピードが求められる『リアルタイムサイ藤』と『サイカルタ』の方が、慎重さと大胆さが同時に求められる感じで楽しそうです。いくら慣れても、焦れば間違いも出てくるものですから。
『お口でいって!』は親プレイヤーが積極的に言い方に工夫をすれば父母の言う通りパーティゲームとして面白いですが、工夫しないと説明の仕方にバリエーションが思いつかなくて単調なものになってしまうかも。

今回は人が集められないのもあって3人で遊びましたが、4〜5人くらいはいた方が面白いと思います。特に『お口でいって!』は3人だと1人が親になってしまって、競って取る人が2人だけになってしまうので……。

——と、私の正直な感想としてはゲーム的にはそこまで特筆すべきことはなく、どのルールにしても基本的にはパーティゲームという感触。ですが、色んな「サイ藤」を見られるのは楽しいですし、その違いがちゃんとゲーム的な楽しさに繋がっているのは好印象。色んな「サイ」を見てると「どうしてこんな違いが出たんだろう」とか「こんなん使ってる人いるのか?」とか色々と思い描いてしまいますね。
カードの中には「サイ」に関する知識が書かれた「サイ知識」も含まれてますよ。日本の歴史と漢字、色んな知識欲も刺激してくれる楽しいゲームでした。

ルールも簡単で神経衰弱やカルタがベースになっていて馴染みやすいですし、ぜひ老若男女、いつもの友人に限らず、普段はゲームをしない家族や親戚と一緒に遊んでみてほしいところです。

というわけで、『オールサイ藤ニッポン』のファーストインプレッションでした!
プレゼントしてくれたアークライトさん、ありがとうございました! この先も楽しませてもらいます!

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