『10ミニッツ・トゥ・キル 完全日本語版』をプレイ! たった10分の間に繰り広げられる暗殺劇。街一番のヒットマンを目指し、ターゲットと他ヒットマンを暗殺しろ!〝やられる前にやれ〟お手軽な正体隠匿系暗殺ゲーム!

街一番のヒットマンとして、今日もサクッと暗殺だ!

昨年末のゲームマーケット2019秋で購入したボードゲームのひとつ、『10ミニッツ・トゥ・キル』をプレイしたのでファーストインプレッションをご紹介。

10ミニッツ・トゥ・キルとは?

ゲーム概要

16人の人物が行き交う街で、正体を隠して暗躍するヒットマンは誰だ。
  • ゲームデザイナー:Benoit Bannier
  • イラストレーター:Pauline Detraz
  • パブリッシャー:アークライト(日本語版)、LA BOITE DE JEU(原語版)
  • 発売年:2017年(日本語版)、2015年(原語版)
  • プレイ人数:2〜4人
  • プレイ時間:10分
  • 対象年齢:14才〜

『10ミニッツ・トゥ・キル』(原題:10′ to Kill)ではプレイヤーはヒットマン(暗殺請負人)となり、街の中で暗殺ターゲット(+他のヒットマン)を始末していく、正体隠匿系(自分の正体がバレないようにする系)の暗殺ゲームです。

タイトルに『10ミニッツ』とある通り、公称プレイ時間は10分とかなり短いです。ルールもクセはありますが複雑ではないので、慣れれば実際に10分程度で遊ぶこともできる手軽さのあるゲーム。正体隠匿系は比較的プレイ時間が長くなりやすいものが多いので、この手軽さは特徴の一つだと思います。

ゲームに使われるのは街を形作る16枚の場所タイルと16人の人物コマ&タイル。それに2〜3人の警官コマが加わります。16枚の場所タイルでできた街を舞台に、16人の人物(+2〜3人の警官)たちが暗殺劇を繰り広げ流のです。

左側にあるのが場所タイル、右側にあるのが人物コマと対応した人物タイル。

街に登場する人物は擬人化された個性豊かな動物たち。日本で見るような可愛い感じの擬人化ではなく、どちらかといえばアメリカンな(※フランスのゲームです)カッコいい系の擬人化なので、日本人的にはちょっとクセのある絵柄かな?
ビジネスマンのトラミュージシャンのイヌピザ屋のワニ農夫のカンガルーと種族も職業も多種多様です。……みんな血塗られたギターとかピザ箱に入れたダイナマイトとか何の変哲もないクワとか、怪しいものを持っていますが。トラとかシロクマは大した持ち物無いですけど、腕力でなんとでもできそう。

登場する人物は擬人化された動物たち。大半は一般市民なのに持ち物が怖い。
ちなみに警官はゴリラとハイエナ。なぜかゴリラは二人います。双子かな?

さて、プレイヤーはそれら16人の人物の中の一人となり、一流のヒットマンとして街の中で3人のターゲットを素早く暗殺し、街一番のヒットマンであることを証明することを目指します。

しかし、街にはあなた以外のヒットマンも街一番のヒットマンとなるべく暗殺の仕事を進めています。あなたは他のヒットマンよりも素早く仕事をこなして優秀さをアピールする——もしくは他のヒットマンを暗殺することで、街一番のヒットマンとして名乗りを上げるのです。街のヒットマンが自分一人なら街一番になりますからね!

星マークはヒットマンの証。他のヒットマンの正体を見破ったらサクッと暗殺するのも一つの手段。

……ただし、自分のヒットマンが暗殺されてもプレイヤーは脱落せず、ゲームの参加を続けられるのも特徴です。ヒットマンがいなくなってもプレイヤーは引き続き警官を使って街の人々に職務質問し、他のヒットマンを逮捕することができます(ヒットマンが生きててもできます)。
それで得点(名誉ポイント)を稼ぐこともできるので、もし自分のヒットマンが生き残っていなくても勝利する可能性があります。暗殺ゲームなのに最後までゲームに参加できるのも嬉しいところですね。

「キミ、ヒットマンか?」「あ……はい」→即逮捕。

というわけで、このゲームでは自分のターゲットを暗殺したり、他のヒットマンを暗殺したり逮捕したりすることで名誉ポイントを稼ぎ、ゲーム終了時に最も名誉ポイントの多いプレイヤーが勝者、街一番のヒットマンとなるのです。

ゲームの流れ

まずは初めの準備として街と人々をセッティングします。

街を形作る場所タイルは16枚。この場所タイルを繋げて自由に並べることで街を作ります。4×4のように真四角にする必要はなく、縦横に伸ばしたり中に穴が空いた街の形にしてもOKです。全てのタイルが隣接して繋がってさえいれば自由。

16マスの街が完成。全てが繋がっていればどんな形でもOK。

場所タイルは1枚で1マスなので、マップは全部で16マスになります。また、一部の場所タイルは青い縁取りがされ狙撃アイコンが描かれています。これは後述するライフルでの暗殺に関わってきます。

街を作り終わったら16人の人物コマを各場所タイルに一人ずつ置いていきます。16枚の場所タイルに16人の人物コマなので、ちょうど全ての場所が埋まります。この時点では誰がヒットマンで誰がターゲットかは決まっていないので、適当に置きましょう。
警官コマは2人プレイなら3個、3〜4人プレイなら2個使用します。警官はゲーム開始時は街の外に置いておきましょう。

全ての場所に1人ずつ人物を配置。警官はまだ街の外だ。

街と人々の準備が終わったら各プレイヤーのヒットマンとターゲットを決めます。
まず全プレイヤーは16枚の人物タイルから1枚引きます。この引いた人物があなた自身、つまりヒットマンになります。
続いてそれぞれ3枚の人物タイルを引きます。この3人が今回のあなたの暗殺ターゲットになります。

この例ならネズミがヒットマン、ワニ・トラ・イヌが暗殺のターゲットだ。誰から暗殺する?

この時、ヒットマンのタイルもターゲットのタイルも他のプレイヤーに見られないように伏せておきます。自分の正体がバレないようにすることが重要なゲームですので、自分以外の伏せられたタイルの内容を見るのは厳禁です。タイルは各人物1枚ずつしかないので、ターゲットの内容もヒットマンを考える大きなヒントになってしまいます。(ターゲットの人物は誰のヒットマンでもないので)
最後にスタートプレイヤーとなる親を決めて、これでゲームの準備は終了です。

全員がヒットマンと3人のターゲットを確認したら準備終了。ヒットマンのタイルには星マークを置いて区別しておこう。

ゲームは親から順番に自分の手番を行います。自分の手番では下記の3種類のアクションから2回のアクションを実行します。

  • コマを移動する
  • 暗殺を実行する
  • 警官で職務質問する

各手番の2回のアクションでは、同じアクションを2回行っても、違うアクションを1回ずつ行ってもかまいません。ただし、暗殺だけは1手番に1回しか実行できません。

「コマの移動」ではマップ上にある人物コマもしくは警官コマを1個動かします。好きな場所のコマを1つ取り、他の好きな場所に移動させます。移動先は隣接している必要はなく、街の中ならどこへでも移動できます。
また、自分のヒットマンやターゲットなども関係無く、好きなコマが動かせます。他のヒットマンや一般人を動かしても問題無しです。

街の東にいるイヌを……
北東のネズミの場所に移動。ヒットマン・ターゲット問わず、どのコマをどの場所に移動させるかは完全に自由だ。

重要なのは次の「暗殺アクション」。暗殺はこのゲームの主となる得点方法です。

暗殺にはいくつかの条件があります。
まず、(当然ですが)暗殺は自分のヒットマンしか実行できません。ヒットマンである自分のコマの位置から狙える対象のみが暗殺できます。

暗殺の方法には、ナイフ・拳銃・ライフルの3種類があり、それぞれ暗殺できる位置が異なります。

ナイフは自分と同じ場所タイルにいる人物を暗殺できます。ナイフは音がしないので、他にどれだけ人物コマがいても暗殺可能です。

同じ場所タイルにいるならナイフで暗殺可能。何人いても関係なく、ネズミ(ヒットマン)はイヌをナイフでブスリ。

拳銃は自分に隣接した場所タイルにいる人物を暗殺できます。ただし、拳銃は音がするため自分(ヒットマン)と同じ場所タイルに他の人物コマがいる場合には使用できません。付近の人がいる状態で発砲したら気付かれて即座に逮捕されてしまいますからね。自分が一人ならば暗殺対象の場所には何人集まっていようと関係なく暗殺可能です。

カンガルーがやられた! この場合、右のハトか下のヒョウは一人でいるので銃が使えるが、上のトラ/オウムと左のウルフ/ネズミは単独じゃないので銃は使えない。

ライフルは自分から見て直線上に位置する場所にいる人物を暗殺できます。直線上ならどんなに離れた場所にいる人物でも狙撃による暗殺が可能です。ただし、ライフルで狙撃を行うには狙撃に向いた見晴らしの良い場所が必要です。そのためヒットマンが狙撃アイコンが付いた場所タイルにいる場合しかライフルは使用できません。また、発砲音がするため拳銃と同じくヒットマンと同じ場所タイルに他の人物がいる場合は使用不可です。

この状態で左上のトラを狙えるのは、右端にいるイヌだけだ。右のハトは狙撃ポイントにおらず、左下のコアラ/セイウチは一人じゃないためライフルは不可。右下のシロクマは狙撃ポイントだが直線上以外は狙えない。

また、後述する警官コマがヒットマンと同じ、もしくは隣接するタイルにいる場合には暗殺方法に関係なく一切の暗殺ができません。

邪魔な警察が来てしまったか……。この付近では暗殺は実行できなくなるぞ。

暗殺アクションを実行したい場合には、自分のヒットマンの位置と暗殺する対象の位置と状況を確認し、暗殺が実行可能かよく確認しましょう。特に拳銃とライフルはヒットマンと同じ場所に他の人物がいる場合には使えないことに注意が必要です。

コンポーネントには暗殺の可不可を説明するサマリータイルも付いている。よく確認しよう。

暗殺できることを確認したら、暗殺した人物コマを取りながら「暗殺した!」と宣言しましょう。この時、暗殺に使用した武器やヒットマンの場所などは述べません。「〇〇を暗殺した」という結果以外は一切説明する必要はありません。これによって容疑者を絞られないようにして自分のヒットマンの正体を隠しながら暗殺仕事を進めていきましょう。

イヌが暗殺された! 近くからのナイフか、隣からの拳銃か、奥からのライフルか……そういった情報は一切不明だ。

暗殺を実行したら、被害者について確認します。被害者が暗殺したヒットマン(手番プレイヤー)のターゲットの場合は名誉ポイントを1点獲得です。

自分のターゲットならタイルを表にして人物コマを回収。これで1点になるぞ。

自分のターゲットでは無い場合は、他のヒットマンかどうかを確認します。自分のヒットマンを暗殺されたプレイヤーは正直に申告しましょう。暗殺したのが他のヒットマンだった場合、名誉ポイントを3点獲得します。このゲームの中で最も高い獲得点数です。自分の正体を知られないように隠すのは、他のプレイヤーにこの点数を与えないためとも言えますね。

イヌは他のヒットマンだった! ヒットマンの証の星マークと共にタイルとコマを受け取り、3点をゲットだ。

もし暗殺したのが自分のターゲットでもなく他のヒットマンでもない場合——あなたは誤って一般市民を暗殺したことになります。この場合は-1点のペナルティです。洗練された暗殺業は関係無い人物を巻き込まないものです。
ちなみに暗殺対象が他のヒットマンのターゲットだったとしても、あくまで自分のターゲットでなければ一般市民です。もし自分のターゲットが他のヒットマンによって暗殺された場合は自分の手元の対応したタイルを表にしておきましょう。名誉ポイントは得られませんが、後述のゲーム終了条件には近付きます。

さて、暗殺はこれで終わりですが……もちろん現場はそのままにはなりません。殺人現場(ヒットマンの場所ではなく暗殺対象がいた場所)にいた他の人物(目撃者)は一斉に殺人現場から逃走します。目撃者たちは別の場所タイルに移動するのですが、これは暗殺をしたプレイヤーの次の手番のプレイヤーが担当します。移動先は全目撃者が別々の場所であれば好きな場所に移動させてOKです。
その後、目撃者が散り散りになった後で通報を受けたであろう警官が殺人現場に到着します。もう目撃者もいないのに……。

イヌが暗殺された場所にはセイウチ、ネコ、カンガルーの目撃者が。(画像は再掲)
目撃者のセイウチ、ネコ、カンガルーは散り散りになり別の場所へ逃走。その後警官が殺人現場に到着するぞ。

この警官コマですが、一般市民よりも注意深く人々を監視しているため、ヒットマンの暗殺を困難にします。前述しましたが、具体的には警官コマと同じ場所タイル、もしくは隣接した場所タイルにいるヒットマンはあらゆる暗殺が実行できません。
あくまでヒットマンの場所が警官と同じか隣だとダメなだけなので、警官と同じ場所にいるターゲットを遠くからライフルで暗殺するとかは可能です。ただし、ナイフだろうと拳銃だろうと、ヒットマンの隣接区域に警官がいる場合はそのヒットマンは暗殺アクションができなくなるのです。

ネコ「くっ、ワニをナイフで暗殺したいが警官が……」
ヒョウ「ハトを銃で撃ちたいのに……邪魔な警官ね」

最後のアクションは「警官での職務質問」です。
この職質アクションではヒットマンではなく警官コマを利用します。警官コマと同じ場所にいる人物一人について正体を調べ、ヒットマンを見付ければ逮捕することができます。

職質では、手番プレイヤーは警官コマと同じ場所の人物1人他のプレイヤー1人を指名し、「この人物コマはあなたのヒットマンですか?」と質問します。指名されたプレイヤーは職質対象の人物が本当に自分のヒットマンの場合、正直に申告しなければなりません。そうするとヒットマンは逮捕され、逮捕した手番プレイヤーは名誉ポイント1点を獲得します。
このアクションは自分のヒットマンが暗殺や逮捕によってゲームから除外されてもできるため、プレイヤーはゲームから途中で脱落することなく最後まで参加できるわけです。

ゴリラ「そこのネズミ、緑のヒットマンだな?」
ネズミ「あっ、はい」→あっさり逮捕。

なお、職質では人物コマとプレイヤーを両方指名するため、仮に職質対象の人物が誰かのヒットマンだとしても、指名されたプレイヤーのヒットマンでなければ難を逃れます。バレないように平静を装いましょうね。

これらアクションを各自の手番で2回ずつ、各プレイヤーが順繰りに行っていきます。

ゲームは誰かのターゲット3人全員が暗殺される(他のヒットマンによって誤って暗殺されたものも含む)か、全てのヒットマンが暗殺か逮捕によってゲームから除外されたら終了です。ただし、条件を満たしても親(最初の手番を行ったプレイヤー)の直前のプレイヤーまでは手番を続行します。全員が同じ回数の手番を実行できるわけですね。

3人のターゲットを暗殺したらゲーム終了だ。ただし、勝者を決めるのは名誉ポイントなので気をつけよう。

最終的に、

  • (自分で)暗殺したターゲット:1人につき+1点
  • 暗殺した他のヒットマン:1人につき+3点
  • 逮捕した他のヒットマン:1人につき+1点
  • ゲーム終了時にヒットマンが街に残っている(暗殺も逮捕もされていない):+2点
  • 暗殺した一般市民:1人につき-1点
  • 暗殺した警官:1人につき-1337点

これらの名誉ポイントを合計し、最も点数の高いプレイヤーが勝利します。
あなたが街一番のヒットマンだ!

Let’s Play!

遊びに来てくれた友人2人との3人プレイ。初プレイなのでルールブックを見ながら説明しつつ準備を進めます。まずは適当に街を作ってキャラクターを置いていきます。初めてなので配置の良し悪しは分かりませんが、真四角は面白くないので変則的に置いていきましょう。

こんな感じの街ができました。果たして誰がヒットマンなのか?

3人プレイなので警察は2人。最初は街の外にいます。16枚の街に16人のキャラクターを置き終わったところで、タイルを引いて自分のヒットマンをランダムに決めます。さて、何が出るかな?

ヒットマン、イヌ。

ストリートミュージシャンのようなイヌのお姉さんが私のヒットマンのようです。血濡れのギターを持ってる時点で職質されそうですが、きっと音楽性の演出のためのギターの装飾なのでしょう。

続いてターゲットとなる3人もランダムで決定します。ふふふ、私のターゲットは誰かな〜?

「私のターゲットはこいつらか……」

神父らしきシロクマと消防隊員のハト、ファッションデザイナーか何かのオウムの3人がターゲットのようです。シロクマとかハトとかは近付いたら反撃で負けそうな屈強な身体をしていますが、こちらは凄腕のヒットマンなので一般市民には負けません。多分。

他の2人も自分のヒットマンとターゲットを確認したところでゲームスタート。スタートプレイヤーは私です。

星のマーカーが置いてあるタイルがヒットマン、他のタイルがターゲットです。私のイヌは左奥にいます。

まずはターゲットを暗殺せねば、ということで街を見ると……お、直線上にシロクマが見える。しかも自分はライフルが使える狙撃ポイントにいます。絶好の狙撃チャンス。念のため容疑者を増やすべく適当にトラをシロクマのところに移動させ……シロクマを狙撃します。そのキレイな顔をフッ飛ばしてやる!

一番奥の位置からシロクマを狙撃! バキューン!
「私だ。一人目のターゲットの暗殺が完了した」

シロクマを亡き者にし、目撃者(トラ)もどこかへ逃げた所に警察のゴリラが到着。誰もいないところにやってくるとは無能な警察だな——と言いたいところですが、実際は警察の周辺では暗殺ができなくなるのでとても厄介。ここからはこそこそと行動しなければ……。

シロクマが暗殺された地区に警察が。チッ、邪魔者め。

続く友人のターンではイヌの隣の区画でネズミが暗殺されます。ふむ、容疑者はイヌとウルフとキリン……いや、キリンのところには私の暗殺を目撃して逃げてきたトラがいるから銃は撃てないか。ということはイヌかウルフ……って、イヌは私のヒットマンだぞ? ということは——ウルフが相手のヒットマンか!

左手前、今は空白の地区にいたネズミが暗殺された。ということは……?

ふっふっふ、間抜けなヒットマンめ、あとであの世に送ってやるぞ……と心の中でほくそ笑みつつも、露骨に暗殺すれば次にやられるのは自分です。ヒットマンはもう一人いるのですから。というわけで暗殺のチャンスを待ちます。

徐々に人が集まり出したぞ?

手番が進み、街の東側に人が集まってきます。そして、ついに沈黙していた第三のヒットマンが暗殺を実行に。

「人が倒れてるぞー!」

多くの人がいる街中で看護士のウサギが暗殺されます。むむむ、近くにいた3人のナイフによる暗殺か周囲に独りでいた者の銃撃か……容疑者が多く全く絞れません。敵ながら良い暗殺です。ナイフか銃撃かの死因も判別できない無能な警察め……。

近くにいた目撃者は散り散りに逃げていったところにハイエナの警察が到着。しかし人が集まる東側に警察が到着したことで一気に暗殺が難しくなってきました。

毎度のごとく誰もいなくなってから到着する警察。

とはいえヒットマンとして名を上げるためにも仕事は進めねば。ちょうどターゲットであるオウムが私のヒットマン(イヌ)の目の前にいます。ここでの暗殺だと容疑者は少ないですが……前回の暗殺で私のヒットマン容疑はイヌ・トラ・コアラ・セイウチの4人に絞られているはずです。コアラは今回も容疑者の範囲なのでセイウチを呼び出し……ギリギリ警察の目の届かない街の端っこでオウムを暗殺します。

「二人目のターゲットの暗殺も完了した。仕事は順調だ」
しかし警察が集まってきたか……。バレるのも時間の問題か?

さて、二人目のターゲットを暗殺したものの、そろそろ私の正体もバレそうです。ここはやられる前にやれ、ということで他のヒットマン——ウルフの暗殺に目的を切り替えます。ヒットマン暗殺は得点が高いですからね。

ウルフに接近することはできたものの、警察が邪魔で暗殺はできません。それに迂闊に暗殺すればまだ正体不明の第三のヒットマンにやられかねません。

どうしようか——と考えているところで「ぐわー!」と誰かの悲鳴が! ……あ、ボード上での想像の話です。どうやら私のヒットマンがいる場所で、第三のヒットマンによってワニが暗殺されたようです。

「ぐわー!」とワニの悲鳴が街に響く。
どうやらウサギを暗殺した第三のヒットマンの仕業のようだ。

その場の目撃者はイヌ・ウルフ・コアラ・セイウチ・トラの5人。目撃者は次の手番である私が移動させるわけですが——ん? 自分と敵ヒットマン(ウルフ)、容疑を被せているコアラ・セイウチがいる?
これはチャンス、とウルフを街中に誘導し、周囲を私のイヌと容疑者扱いのコアラ・セイウチで囲み——銃撃!

ウルフ「バ、バカな、この私が……ガクッ」 ちなみにコアラは写真の外、下側の狙撃ポイントにいます。

ウルフの暗殺に成功。予想通り敵ヒットマンだったため3点をゲット。ふふふ、街一番のヒットマンは私だ!

やはりヒットマンだったウルフ。星マーカーと共に3点をゲット。

しかし、ヒットマンを暗殺された相手は卑怯にも(全く卑怯じゃない)警察を操り、職務質問を仕掛けてきます。一回目はセイウチのところに行ったためことなきをえましたが……このままでは捕まるのも時間の問題です。

セイウチのところに警察が。このままでは逮捕されるのも時間の問題か……。

捕まる前に最後のターゲットを暗殺するか……? しかし、今からハトを暗殺すれば確実に正体がバレそうです。今回は私が親なので、3人目のターゲットを暗殺しても第三のヒットマンまでは行動が残ります。そうすると私のイヌが暗殺された上に第三のヒットマンは生き残り、得点で負けてしまいそうです。

しばしの逡巡の末……正体不明の第三のヒットマンを暗殺することに決めます。第三のヒットマンを暗殺できれば、それで正体がバレても警察に捕まるだけ。生き残りの得点はもらえませんが、第三のヒットマンに暗殺されるよりはマシです。

肝心の第三のヒットマンの正体に確証はありませんが……これまでの行動で怪しい人物には心当たりがあります。——パンダです。

これまでの行動を見るに、積極的に暗殺現場に来ていた……ような気がします。ほら、それに見た目もギャングっぽいですし。いや、ヒットマンですけど。

何にせよ、勝つためにはここで第三のヒットマンを暗殺するしか手はありません。
一か八か! パンダを拳銃で暗殺します。

バキューン!

結果は……第三のヒットマン! やはりお前だったか!
ふっふっふ、やはり私の目に狂いは無かった。ちょろいもんだぜ。

「これで街のヒットマンは私一人——」

……とはいえ、この暗殺の容疑者はイヌだけ。あからさまな暗殺に対し、警察がやってきたことであえなく逮捕となりました。こんな時だけ優秀な警察め……。三人のヒットマンが街からいなくなったためゲーム終了です。

あえなく逮捕。もはや逃げられないか……。

逮捕はされたものの、私の得点はターゲットの暗殺(1点)が二人、ヒットマンの暗殺(3点)が二人で8点。友人ズはターゲットの暗殺とヒットマンの逮捕で二人とも2点止まりとなり、私の勝利です。
私のヒットマンが街一番だ!(獄中より)

ゲーム終了。私が一位!

プレイ後の感想

たった16マスの街と16人(+警察2〜3人)のキャラクターによる暗殺劇。一応正体隠匿系のゲーム(自分の正体がバレないようにするゲーム)ではありますが、正直、最後までバレずにいるのはほぼ無理な気がします。暗殺は一手番に一回しかできないですし、ヒットマンをやられたプレイヤーは警察で職務質問してくるようになるので、ヤマカンでもいつかは当たります。職務質問は間違えてもデメリット無いですし。

なので、バレずに行動するというよりは完全にバレる前にいかに得点を稼ぐかがポイントになりそうです。そうすると一番の得点源は他ヒットマンの暗殺。他ヒットマンを暗殺して3点を獲得すれば、他ヒットマンが生き残って2点を獲得するよりも得点は上です。

とはいえ、自分が暗殺されたら誰かに3点を取られることにもなります。なので自分の正体に確証を持たせる前にターゲットと他ヒットマンを暗殺して、自分はバレても暗殺ではなく逮捕で終われるように警察を誘導する——そんな感じの「やられる前にやれ」精神が良さそうです。慎重さより大胆さが大切なゲームですね。私はこういうゲーム好きです。

タイトルに「10ミニッツ」とある通り、実際に慣れれば10分程度で終われそうです。正体隠匿系とは言っても、じっくり考えるよりも半分直感で突き進み、失敗したら「次のゲームで挽回しよう!」と前向き・お手軽に遊ぶのがオススメでしょうか。
「正体隠匿系は好きだけど気を張るから疲れる……」みたいな人には特に遊んでもらいたいですね。完全な個人戦なので正体のわからない敵・味方を探すとかも無いですし、プレイ感は結構カラッとしてます。暗殺ゲームなのに後味スッキリ(笑)。手軽に楽しめるゲームとしてオススメできますね。

ちなみにちょっと思ったこと。キャラクターが動物の擬人化となってますが、アメリカンな擬人化なので初見だとパッと見の絵柄では何の動物かわからないのも多いです。なので、初プレイで名前を言えるのと言えないのとがあると「名前が言えたのはヒットマンかターゲットだな……」とか、慣れた人ならメタな予想もできちゃうかな?(手持ちのタイルには名前が書いてあるので)

とはいえ、最初はそんなところがあっても、細かいことでの失敗は気にせずに繰り返しプレイするのがオススメです。ワンプレイが短いゲームなので一度の勝ち負けを気にせずに、ぜひ何度もチャレンジしてみてください。

お手軽暗殺ゲーム、街一番のヒットマンになるのはキミだ!

最も優秀なヒットマンを目指そう!

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