『ウイングスパン拡張:欧州の翼』をプレイ! 次なる鳥たちはヨーロッパから登場。日本で馴染みのある鳥も増え、基本セットをそのままボリュームアップする丁寧な拡張版!

新たな欧州の翼を仲間に!

まだ人気が続いている『ウイングスパン』の拡張版、『ウイングスパン拡張:欧州の翼』を父親の協力も借りて買えました!
博多の在庫を取り寄せしてくれるヨドバシカメラさんに感謝しつつ、早速遊んでみたので感想をご紹介。

『ウイングスパン拡張:欧州の翼』とは?

ゲーム概要

アメリカの次はヨーロッパ。どんなコラボが見れるかな?
  • ゲームデザイナー:エリザベス・ハーグレーブ
  • イラストレーター:ナタリア・ロハス、アナ・マリア、マルティネス・ハラミロ、ベス・ソーベル
  • パブリッシャー:アークライト(日本語版)、Stonemaier Games(原語版)
  • 発売年:2020年(日本語版)、2019年(原語版)
  • プレイ人数:1〜5人
  • プレイ時間:40〜70分
  • 対象年齢:10才〜

『ウイングスパン拡張:欧州の翼』(原題:Wingspan: European Expansion)は『ウイングスパン』の拡張で、81枚の鳥カードといくつかのボーナスカードや目的タイルを追加するものです。基本の『ウイングスパン』が無いと遊べませんのでご注意を。

基本のウイングスパンを遊んだ感想は下のリンクよりご覧ください。この記事では基本のことは知ってる前提で書きますのでよろしくお願いします。

※注記
日本語版の初版?はカードに「椀型以外の巣アイコンが本来白抜きになっているところが、白抜きになっていない」というエラーがあり、アークライトさんでカード交換を実施しているようです(下記ツイートにて。ツイート内にある専用ページは2020年7月26日で終了してますが、アークライト公式のユーザーサポートにて交換の問い合わせは可能かと思います)。

ちなみに私が購入した物は全カードでそうなっていました。このページの画像は交換前に遊んでますので巣アイコンはエラー状態のものです。ご了承ください。

基本のカードの巣アイコン(エラー無し)

拡張の初版カードの巣アイコン(エラー有り)

この拡張は名前の通り、欧州、つまりヨーロッパに住まう鳥を中心に構成された拡張セットです。基本の鳥はアメリカの鳥が中心でしたからね。今回追加される81枚の鳥カードも全て違う鳥で、それぞれの鳥の姿が美麗なイラストでカードに描かれています。ゲームではこの81枚の鳥カードを基本セットの鳥カード(170枚)に全て混ぜて遊びます。全部で251枚になりますね。多いなー。

たくさんの鳥たちが追加されました
左が基本セットの鳥(170枚)、右が拡張で追加された鳥(81枚)。これを全部混ぜて遊びます
追加されたカードの右下には「EE」のマークが。原題の「European Expansion」の略でしょう

ヨーロッパとはいえまた海外の鳥か……と思いそうですが、アメリカと違いヨーロッパはユーラシア大陸——つまりアジア圏も含む大陸に位置します。そのため、日本で馴染みのある鳥も基本の時よりも多いみたいです。わかりやすいところだとスズメやカワセミ、シジュウカラにアオサギ、その他だとカケス、クマゲラ、カササギ、カッコウ、エナガ……そこまで詳しくない私でも知ってる名前が多いです。詳しい生態までは知りませんが、むしろこうしたゲームを通じて知るのも面白いところですね。

日本でも見覚え、聞き覚えのある鳥たちもいますよー

さて、ルール的なところで追加されたのが「ラウンド終了時(水色)」の能力です。基本では「起動時(茶色)」「次の手番までに1回(桃色)」「プレイ時(色なし)」の3種類でしたが、ここに新たな種類が追加されました。

能力としては名前の通りで、自分の自然保護区(個人ボード)にその鳥をプレイしていれば各ラウンドの終了時に効果を発揮するもの。単純にラウンド終了時に手札からカードを差し込むものもあれば、卵が1個も無い生息地1つにいる全ての鳥が産卵する能力や他のプレイヤーの草原にあるアクションコマの数(つまり産卵アクションを実行した回数)だけ餌を蓄えるなど、ラウンド終了時でのボードの状態を参照する能力も多いです。

新たな力、ラウンド終了時の能力を持った鳥たち。どんな力を見せるのか?

それ以外の鳥もほとんど(全部かな?)が新しい能力のようです。珍しいところだとプレイ時に餌と卵のコストを支払う代わりに既にいる鳥の上に重ねてしまう鳥や、生息地のマス2つを覆うように横向きにカードをプレイする鳥も。横向きにプレイするのはより早く効率の良いアクションに移れるわけですね。1行内での枚数は減ってしまいますが。

例えばエナガは森林で横向きに配置。この状態なら餌の獲得アクションは餌3個に、鳥カードのプレイも次は5マス目に。

5枚のボーナスカードと5枚の目的タイル(両面)も追加されています。これら全てを基本セットと混ぜてゲームに使用することになります。増えるだけで何かを代わりに取り除いたりはしません。

追加されるボーナスカードや目的タイル

あ、一人プレイ用のオートマカードも追加されてますのでソロプレイでも追加要素はあるようですよ。オートマ専用のボーナスカード等が追加されてます。スコアシートも裏面がソロプレイ用になりました。

それと新しく紫色の卵トークンも入ってます。毒々しいな。基本同様、卵の色に意味は無いのでお好きにお使いください。カードトレイも紫色になってますので、こちらも基本と拡張で好きな方をどうぞ。

毒々しい卵が出てきます
カードトレイも入ってます。上が基本で下が拡張。紫色なだけで形も大きさも同じです

——追加要素はこれくらいです。ゲームの流れもラウンド終了時に能力が出た以外は何も変わりませんのでこの記事では省略しましょう。というわけで、早速プレイ記に移りましょう!

Let’s Play!

在宅勤務の仕事終わり。ちょうど仕事が休みの父親と一緒に録画してる「有吉ぃぃeeeee!」(最近ハマってる)を観た後で、せっかく買ったから遊びたーいと誘って二人プレイ。

準備のために拡張のカードを開けてざっと見てると、父親が「今度は日本にいる鳥も多いんだな」との感想。パッと見ただけで分かるとは、さすが元生物部(鳥類斑)部長&日本野鳥の会会員だな……と毎度の感心をしながら準備を進めます。

鳥カードを混ぜて、ボーナスカードを混ぜて、目的タイルも混ぜて……準備完了です。拡張が入ったからといって特に準備は変わりありません。まあ鳥カードが増えて混ぜにくくなったくらいでしょうか。基本でも170枚と多いところに+81枚で全251枚だもんなあ。父親に任せてたんですがめっちゃ混ぜにくそうでした。

準備完了。せっかくなのでカード置き場には拡張の紫を使いました。

一度だけ、しかも半年以上前に遊んだきりなのですっかりルールを忘れてる父親に簡単にルール説明をしつつ、セットアップは完了です。続いて最初の手札になる鳥カードとボーナスカードを引いていきます。せっかくなので欧州の翼引きたいなー。

鳥カード5枚
ボーナスカード2枚

うーん、残念ながら全て基本のカードか。まあ拡張の方が枚数は少ないので仕方ないですね。……この辺で「拡張版を楽しみたいのに拡張のカードが出なかったらどうしよう」とかいう不安が出始めましたが、その時はその時。ゲームには真剣に臨みましょう。

というわけでここから初期手札として残す鳥カードとボーナスカードを決めますが……あんまりピンとくるものが無いなあ。少し考えて、次のカードを残しました。

鳥2羽とワイナリー経営者をチョイス

まず、ボーナスカードは今の手札に草原のみの鳥がいないので「草原管理者」はパスして「ワイナリー経営者」を選択。そこで果実を食べる鳥としてツキヒメハエトリを残します。それと鳥カード獲得アクションになる湿地で鳥カードを更に獲得できる能力を持つカオグロアメリカムシクイを残しました。これで鳥カードをたくさん引ける環境にして、今後のカードに期待する作戦(?)です。

ジャンケンの結果、最初の親は私に決定。私の手番では作戦通り湿地にカオグロアメリカムシクイをプレイして、鳥カードを多く獲得できる環境を整えます。

リンネによって最初に分類されたアメリカの鳥のひとつだそうです

一方の父親は同じく湿地にムラサキツバメをプレイしてきます。手札のカードを差し込んだ上でカードを引ける鳥です。差し込んだカードは点数になるので、点数を増やしつつ不要カードの交換ができることになります。

父の自然保護区にツバメが飛来

次の私の手番では早速鳥カードの獲得を実行。通常の1枚にアメリカムシクイの効果で+2枚の3枚を引き、最後に1枚捨てるので枚数としては+2枚。元々手札にあったツキヒメハエトリは捨てずに、カード置き場からモルトーニムシクイ、山札からアメリカズグロカモメを獲得です。

引いた後の手札がこちら

アメリカズグロカモメは湿地に置けて卵を捨てればカードを2枚引ける能力があるので、今のたくさんカードを引く作戦を補強する狙い。

そして、カード置き場から引いたモルトーニムシクイは欧州の翼で追加された水色の帯の能力——ラウンド終了時能力を持つ鳥で、能力はラウンド終了時に4種類のアクション全てを実行していれば追加で鳥カードをプレイできるもの。ラウンド終了時とはいえ、アクション無しでプレイできるので効率が良いだろうとの判断で獲得です。拡張版の新能力、うまく使えるか?

手番は進み、父親は餌を獲得した後で森林にセジロコゲラをプレイ。プレイ時に追加で森林に鳥カードをプレイできる能力がありますが、卵が足りず断念。どうでもいいですがコゲラとかキツツキ系の鳥ってカッコかわいい感じで好きなんですよねー。鋭い目つきとクチバシのカッコよさと小柄でもふもふのかわいさが合わさった感じで。

森にセジロコゲラが棲みつきました

これに対し、私も父親同様に餌を獲得した後でカードをプレイ。出すのは……モルトーニムシクイだ!

新カード登場

この時点で「鳥カードのプレイ」「餌の獲得」「鳥カードの獲得」と3種のアクションは実行ずみ。あとは「産卵」のアクションを実行すればラウンド終了時に鳥カードをプレイできます。

ここで手札が減ってきた父親は鳥カードの獲得アクションを連続で実行。鳥カードを集めつつムラサキツバメにカードを差し込んで点数を稼いできます。さらに森林にムネアカイカルをプレイ。追加で餌を得る能力も強いですが、単純に点数が6点と高い。必要な餌は多かったようですが、序盤から高得点を得てきました。

湿地に群れを作る
更に高得点のムネアカイカルが登場

ちなみにムネアカイカルの「イカル」は漢字で書くと〝鵤〟〝斑鳩〟。ゲーマーだと「斑鳩(イカルガ)」は見覚えと聞き覚えがあるのでは。そう考えると親近感が湧きますね。

さて、私は産卵アクションで卵を増やした後、湿地に先ほど引いたアメリカズグロカモメをプレイ。そして鳥カードの獲得アクションを実行!

いざ、鳥カードの獲得へ

通常のアクションで2枚にズグロカモメで卵を捨てて+2枚、アメリカムシクイで+2枚して1枚捨てて……+5枚!一気に増えたぞ!

元々手札にあるツキヒメハエトリは残し、上の画像の5枚を獲得。ヒメノガン、ズキンガラス、キクイタダキは欧州の翼で追加された鳥たちで、どれも初めて見る能力です。どれが使えるかな……と考えてるところで父親が最後の手番(産卵)を終えて、1ラウンド目は終了です。

1ラウンド目が終了

ラウンド終了時、ここでモルトーニムシクイの能力発動! 鳥カードをプレイ……とやりたかったのですが、残念ながら餌も卵も足りずにプレイできず。無念。

ラウンド終了時目的は「草原にいる鳥カードの枚数」。私も1枚だけですが、父親は0枚。該当する数が0の場合は順位に入らないため、私が1位で4点、父親は0点となりました。

ラウンド終了時目的。父親は0枚で2位にもなれず。

続いて2ラウンド目、今度は父親が親プレイヤーです。
まずはムネアカイカルのプレイで減った餌を補充すべく餌の獲得アクションを実行。

通常のアクションで餌を取ったところで餌箱が空になったためダイスを振り直すことに。この後にムネアカイカルの能力が起動するので、種子か果実が出れば追加で獲得できるところですが……?

餌箱ダイスタワーから出てきたのはまさかの魚4匹。もう一個も無脊椎動物で、残念ながら追加の餌は獲得できずに終了です。

私は最初に餌の獲得をした後、最初から持ち続けていたツキヒメハエトリをようやくプレイ、森林に配置します。これでボーナスカードの目標である果実を餌にする鳥はモルトーニムシクイと合わせて2枚目です。とりあえず点数になる枚数にはなりましたが、4枚以上になれば点数が伸びるのでまだ増やすのを狙いたいところです。

ようやく出ましたツキヒメハエトリ

ちょっとずつ環境が整ってきました。ウイングスパンは後半の伸びが重要(だと思ってる)ですからね。ここからが勝負所。

……と思ってた矢先、父親が湿地にアメリカサンカノゴイ、さらにシロフクロウをプレイしてきました。

一気に増えた!

アメリカサンカノゴイは7点と純粋に点数が高い。シロフクロウは欧州の翼で追加された鳥で、プレイ時にボーナスカードを引き、さらに鳥カードか卵を獲得できる能力があります。父親はボーナスカードを引き、追加で鳥カードを獲得。しかも点数も4点とそこそこ高いな……私の方は未だに最大3点の鳥しか配置していないため、鳥の点数はかなり負けてます。ちょっとマズイかも?

私の方は森林にキクイタダキをプレイ。これも拡張の鳥で、起動時能力で手札を捨てると鳥カードをプレイできる能力を持っています。基本ではプレイ時に追加でもう一枚鳥カードをプレイできる能力はありましたが、こちらは起動時。森林なので餌を手に入れつつ鳥カードをプレイする目論みです。コストに手札が必要ですが、手札が増えやすい環境にしているので相性は良いはず。

伝承によるとワシやフクロウの尾羽に乗って移動する……想像するとかわいい

ちなみにキクイタダキは翼開長15cmの小さな鳥ですが、ヨーロッパの民間伝承などでは〝鳥の王〟とされることもあるとか。頭頂部の黄色い冠羽が王冠のように見えるからで、和名の由来も黄色い冠羽が〝菊を戴く〟ように見えるからだそうですよ?(Wikipediaより)
日本でも北の方で生息してたり、越冬時には西日本にいることもあるそうで。見れたらかわいいなー。

キクイタダキ自体の点数は低いですが、ここからキクイタダキとモルトーニムシクイの力で上手く高得点の鳥カードをプレイして挽回したいところです。

最後は再び鳥カードを獲得。卵が少ないのでズグロカモメの能力は使わず、+3枚獲得します。

ここで気になったのが拡張の新カード、ズアオアトリの能力。同じ生息地の鳥全てに手札からカードを差し込むことができます。手札が多くないと使えない能力ですが、鳥カードを獲得しやすくしてる今なら……?

と、ここでラウンド終了。2ラウンド目のラウンド終了時目標は「ヨコ1行の鳥カードの枚数」です。お互いの自然保護区を見ると、

2ラウンド目終了時

私が森林と湿地に2枚、父親が湿地に3枚で「お、わしが勝ったか!」と父親が喜んだところですが——そうは問屋が卸さない!今度こそモルトーニムシクイのラウンド終了時能力を起動して、メリケンアジサシを湿地にプレイだ!

モルトーニムシクイの力でメリケンアジサシがやってきました

ラウンド終了時能力はラウンド終了時目標の判定前に起動します。これで私も湿地が3枚。父親と同数になったのでラウンド終了時目標は同点で終わります。「なー、いけると思ったのに」と父親も悔しそう。ふっふっふ。

2ラウンド目は同点です

続く3ラウンド目、再び私が親プレイヤーに変わります。
まず選ぶのは餌の獲得アクション。これで餌を獲得しつつ……キクイタダキの能力を起動し、森林に鳥カードをプレイします。出すのは先ほど引いたズアオアトリ。

ちなみにズアオアトリはオスのみの群れがよく見られることから「独身男の鳥」とも呼ばれるらしい。悲しくなってきた。

鳥カードをたくさん引いて手札を増やし、ズアオアトリとキクイタダキの能力に必要なコストを確保。それによって餌の獲得をしながらズアオアトリで点数を増やし、キクイタダキで鳥カードを増やすという作戦です。我ながら良い案……と思うのですが、難点は卵だけは別途手に入れる必要があることですね。鳥カードの大量獲得にも卵は必要(ズグロカモメのコスト)なので。慢性的な卵不足。

対する父親は再び湿地に鳥をプレイ。出てきたのはナキハクチョウ

アメリカ北西部に生息するハクチョウの中でも最大級の大きさを誇る大きな鳥です。ゲーム的には能力はありませんが得点が高くて——って、9点じゃん!さっきから高得点の鳥多くない!?

既にゲーム後半の3ラウンド目で、これから伸ばすつもりとはいえここまで高得点の鳥を揃えられるとさすがに焦ってきます。うぐぐ、落ち着け俺。

能力的にはある程度環境が整った今、ここからは点数で追いつくべく高得点の鳥を出していかねば。ということで次の私の手番ではアオバネアメリカムシクイを草原にプレイ。能力無しですが8点の高得点鳥です。

ムシクイが多い私の自然保護区

まずは1枚、といったところですが残りの手札は最大でも4点と微妙な点数。餌と鳥カードの獲得はしやすいですが、産卵をするタイミングが少なく卵が常に枯渇気味の場なのでたくさんの鳥をプレイするのは難しいでしょう。できるだけ1枚で点数の高い鳥をプレイしたいところ。

というわけで最初の作戦(?)通り——新しいカードに望みをかける!鳥カードの獲得アクションを実行です。

良いカード、来い!

メリケンアジサシは1枚引いて最後に1枚捨てる能力。枚数は増えないですが高得点のカードを得るには有用な能力です。ズグロカモメは卵がコストで、少ない卵を消費するか悩みますが……ここはカードが増えないことには何もできない、と卵を捨ててカードを引きます。

カオグロアメリカムシクイの能力も使い、合計7枚引いた後で2枚捨てます。これで高得点の鳥が取れるか、悩んだ末に手札はこうなりました。

鳥がいっぱい

なんとかクロズキンアメリカムシクイという7点の鳥をゲット。必要な餌も無脊椎動物でツキヒメハエトリの効果で集められてるやつなのでグッドです。

それと画像では隠れてますが、右から2枚目に欧州の翼の新カード、チフチャフがいます。ん、この能力は……?

この後産卵で卵を増やしたところで再び餌の獲得アクションを実行。餌を集めつつ、ズアオアトリの能力で増えた手札の鳥カードを森林にいる鳥たち、ツキヒメハエトリ、キクイタダキ、ズアオアトリの下に差し込みます。前述の通り差し込んだ鳥カードは1枚1点になるので、これで+3点。

そして続くキタイタダキの能力で鳥カードをプレイ。出すのは先ほど引いたチフチャフです。

なんだかんだ拡張のカードがいっぱいです

チフチャフの能力はズアオアトリと全く同じで、同じ生息地の鳥に手札のカードを差し込むもの。これで大量に手札さえあればチフチャフとズアオアトリで高得点が得られる……はず!

この後は産卵アクションで減った卵を補充して私の手番は終了です。

3ラウンド目の最後のアクション終了時

さて、ずっと特別な動きの無かった父親ですが、最後に鳥カードをプレイしてきます。

またでかい鳥だー!

湿地の最終列にダイサギをプレイしてき……また高得点の鳥じゃん!7点!

まあこのラウンド、黙々と餌と卵を揃えてたからなあ……。ちなみにダイサギは日本ではアオサギと並ぶ最大級のサギです。でも隣のナキハクチョウ(翼開長203cm)と比べるとダイサギ(翼開長130cm)も小さく感じるなあ。これがアメリカンサイズか。

何はともあれこれでラウンド終了。ここで私は再びモルトーニムシクイの能力で先ほど引いた高得点の鳥、クロズキンアメリカムシクイを森林にプレイします。これのために最後に産卵アクションしましたからね。これで3種類目のアメリカムシクイが私の自然保護区に集結。アメリカムシクイ祭りですわ。

父親は湿地が、私は森林が埋まった状態で3ラウンド目が終了です。

単純な鳥の枚数では父親7枚に対して私が10枚と勝ってますが、点数では微妙なところ。全く油断のできない勝負です。

ちなみに3ラウンド目のラウンド終了時目的は「地上の巣で卵を持つ鳥カードの枚数」。私はツキヒメハエトリとアメリカズグロカモメ(どちらもオールマイティーの巣)の2枚で、父親がシロフクロウとナキハクチョウの2枚。今度も同点でした。

またもや同点。なかなか差が付かない勝負です

そして迎えた最終4ラウンド目。最後はアクションも5回しかできません。ここからどこまで点数を伸ばせるか!

最後は父親が親プレイヤー。できうる限り点数を伸ばすべく、鳥カードをプレイしてきます。

まず未だに1羽もいなかった草原エリアにカナダガンをプレイ。その後は餌を続けて獲得し、さらに産卵しつつカナダガンの能力で山札から2枚のカードを差し込み点数アップ。そして最後の手番は場と手札とボーナスカードを何度も見つつ点数が高くなる手段を探し……最終的にルリツグミを草原にプレイし、その能力でハシボソキツツキも追加でプレイ。草原に3種の鳥が集ったところで手番終了となりました。

カナダガン、絵だとカモくらいに思うけど翼開長132cm。でかい
父親の最終的な自然保護区 大きい鳥が多め

一方の私はまず鳥カードの獲得アクションを2回実行し、10枚の手札を増やしてプレイすべき鳥を探します。残りのアクションは3回。餌と卵のことも考えつつ、大量の手札から最も点数が高くなる組み合わせを考えます。

考えた末……まずは産卵で卵を3個ゲット。そして5種の鳥が並んだ森林エリアで、餌の獲得アクションを実行します。

5枚埋まった森林で餌を3個獲得し……能力起動!

餌を獲得しつつ、チフチャフとズアオアトリの能力で先ほど大量に増やした手札から合計9枚の鳥カードを差し込みます。これで一気に+9点!森林が群れだらけに。

たくさんの群れ(差し込まれたカード)で森林はいっぱいいっぱいに

そして最後のアクションで草原にオウサマタイランチョウをプレイして手番終了。ラウンド終了で——最後もモルトーニムシクイで追加のプレイ!9点の鳥、アメリカヤマシギを草原にプレイだ!

私の最終的な自然保護区

これでラウンド終了です。最後の4ラウンド目のラウンド終了時目標は「巣穴の巣にある卵の数」で、父親は3個に対して私は0。最後のタイランチョウとヤマシギのプレイで産卵した3個の卵は使い切ってしまったので……。というわけで父親が7点で私は0点です。

最後の目的タイルで7点差が。果たして結果は?
ゲーム終了時の盤面

これでゲーム終了、最後の得点計算に移ります。

まずは鳥カードの点数。父親が47点に対して私が48点。最後の最後に追いつけたようです。

ボーナスカードは「ワイナリー経営者」で果実の鳥4枚を出した私は7点。父親は「ビオトープ造園家(お椀型の巣を持つ鳥の数)」と「芸術家(名前に〝アカ〟を含む鳥の数)」を持っていましたが、ムネアカイカルの2点のみ。

ラウンド終了時目的は私が11点で父親が14点。最後の7:0が痛かったところ。

卵の数は父親の4個のみで、蓄えた餌は双方無し。差し込んだ鳥カードは父親が6枚に対して私が12枚!最後にたくさん差し込んだ甲斐があります。

さてさて、合計点数は……?

最終得点!

私が78点、父親が73点。僅差で私の勝利です!

プレイ後の感想

拡張の『欧州の翼』を入れてのウイングスパンを初プレイでしたが、最初の「拡張のカードが出なかったらどうしよう」という不安は何処へやら、最終的には新カードのモルトーニムシクイ、キクイタダキ、ズアオアトリ、チフチャフの能力をフル活用しての勝利でした。

新しく出たラウンド終了時能力(水色)は面白いですね。二人プレイだからではありますが、次の手番までに1回(桃色)の能力が使いにくいため基本だと起動時能力のことしか考えてプレイしてませんでしたが、ラウンド終了時能力が増えることで「どういう状況でラウンドを終えるべきか?」というラウンド単位での戦略を立てる重要性が増えたように感じます。

それ以外の能力も基本の時よりも少しハデな能力が増えてますかね。今回使用したキクイタダキの起動時能力(茶色)で鳥カードをプレイできるのもなかなか強力。基本だと能力での鳥カードのプレイは、プレイ時能力にしか無かったですからね。チフチャフとズアオアトリの鳥カードを差し込む能力も、一度に最大5枚差し込めるのは基本と比べるとでかいです。基本ではほとんどが1枚ずつ、一部の2枚が最大だったはず。

ただ、どちらも手札が多くないと使えない能力です。キクイタダキは手札から鳥カードをプレイするのに、他の鳥カードを捨てなくてはいけないですし、チフチャフたちのも差し込む数だけ手札が必要です。基本だと山札から差し込むカードを取るか、差し込んだ後にカードを補充するものが多いので、コスト的には高くなかった印象があります。

今回出てこなかった他の鳥たちの能力を見ても、色んなことができる代わりに何かのコストが必要(鳥カード/卵/餌を捨てたり)が多いようです。拡張なので当たり前な気もしますが、基本よりは能力がハデな分、使い方をしっかり考える必要がありそうです。

……とはいえ、ゲームのプレイ感覚は基本のみの場合とほとんど変わりません。全部のカードを混ぜるので、そもそも拡張のカードが出てくるとも限らないですしね。今回のプレイでも父親がプレイした欧州の翼はシロフクロウだけ。ボーナスカードは全部基本のものでしたし、ラウンド終了時目的も「ヨコ1行の鳥カード」以外は基本のものです。ラウンド終了時能力が増えたといっても『ウイングスパン』は4ラウンドしかないですから、そんなにハデな変化でも無いと思います。ほんの少しスパイスが加わったくらいで、良い意味で変わらない面白さを保証してくれます。

ゲーム的なところよりも、純粋に様々な鳥の種類が増えるのは楽しいですね。絵は引き続きキレイですし、日本でも馴染みのある鳥が増えたことで「おっ」と思うことも増えます。ゲームの合間で各鳥のフレーバーテキストを読むのも楽しいので、鳥の種類が増えるのは素直に歓迎できますね。複雑になりすぎない程度の能力の拡張も良い感じ。

ルールブックを読む限り、まだ将来的にさらなる拡張が予定されてるようなので、拡張が増えてくると能力も増えてプレイ感覚も変わってくるかもしれませんけどね。

今回の『欧州の翼』はゲーム性としては大きくは変わらない拡張ですが、鳥の種類が一気に増える、プレイ感覚を損なわない程度にハデな能力も増える、という意味で〝ウイングスパンの拡張〟としてとても有意義な拡張だと思います。

こちらもウイングスパン本体同様、品切れが続いているようです。定価より高い価格で急いで買うほどのことではないと思いますが、定価で買えるならぜひ買って欲しい拡張でした。ぜひ81種類の新しい鳥たちとの出会いを楽しんでください!

新しい鳥たちとの出会いが待ってますよ!

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