話題の鳥集めゲーム、『ウイングスパン』を遊んだのでご紹介します!
※追記:第一弾拡張、『ウイングスパン拡張:欧州の翼』の感想も記事にしました!
ウイングスパンとは?
ゲーム概要
- ゲームデザイナー:エリザベス・ハーグレーブ
- イラストレーター:ナタリア・ロハス、アナ・マリア、マルティネス・ハラミロ、ベス・ソーベル
- パブリッシャー:アークライト(日本語版)、Stonemaier Games(原語版)
- 発売年:2019年
- プレイ人数:1〜5人
- プレイ時間:40〜70分
- 対象年齢:10才〜
『ウイングスパン』(原題:Wingspan)は鳥類学者や野鳥観察者などの鳥類愛好家となり、自分の鳥獣保護区により多くの鳥を集めるゲームです。ボードゲーム界で最も権威ある賞と言っていい「ドイツ年間ゲーム大賞」で、2019年・エキスパート部門の大賞に選ばれたゲームでもあります。ちなみにデザイナーは違いますが、パブリッシャーのStonemaier Gamesは大型ゲーム『サイズ -大鎌戦役-』(原題:SCYTHE)を販売している会社でもあります。個人的に好みなゲームが多いのでこれから楽しみな会社の一つ。
執筆時点(2019年12月22日)ではAmazon等で1万円越えの価格が付いていますが、定価は6500円(税別)、税込みで7150円です。海外のボードゲームは絶版になるのが早いものですが、アークライトやホビージャパンが出している日本語版はちゃんと再入荷するので、欲しい人も入荷を待って適正価格で買うことをオススメします。
ゲームは各自の鳥獣保護区であるボードに鳥カードをプレイする=鳥を呼び寄せることで鳥獣保護区の生態系を豊かにしていくことを目指します。鳥獣保護区には森林/草原/湿地と3つの生息域があり、鳥たちは自分の生息環境にあった場所に集っていきます。しかし鳥を集めるにはその鳥の好きな餌や卵を用意する必要もあります。そうして集めた鳥たちによって勝利点がもらえる他、各ラウンドの目的や各自で異なるボーナスに沿った鳥たちを集めることで追加の勝利点を集め、最終的に最も勝利点の多いプレイヤーが勝者となります。
主に使うのは各自の鳥獣保護区で実際に鳥カードを置いていく個人ボードとアクションコマ、各ラウンドの目的を示す目的ボード、実際に集める鳥カード、勝利点の条件が書かれたボーナスカード、その他餌や卵のトークン、集められる餌の種類を示す餌ダイスと専用の餌箱型ダイスタワーです。
中でも特筆すべきは、やはり写真と見紛うほど美麗な鳥のイラストが描かれた鳥カード。なんと全170枚の鳥カードには全て違う鳥が描かれています。アメリカのゲームなので北米の鳥が多くて実際に日本で見かける鳥は少ないですが、ヒバリやカモ、ヤマセミなど知ってる種類の鳥はいるので見た目の違いを見るだけでも面白いですね。やっぱりワシやコンドルはカッコいいと思う。
カードには鳥の名前やゲームに使われる生息環境や必要な餌、能力の他に生息する大陸を示す地図や豆知識的コメントも付いていて、「へ〜」と思う知識がいっぱいです。タイトルにある通りウイングスパン——翼開長(=左右の翼を広げた時の長さ)も書いてありますよ。
ゲームに関わる要素(生息環境や餌、巣の形状、卵の数、能力など)も実際の鳥の生態に合わせて設定されていて(狩猟する鳥は餌を集めて勝利点にする、群れを作る種は鳥カードを集めて勝利点にする、他の鳥の巣に産卵する鳥は他プレイヤーの産卵に合わせて卵を産むなど)、「ゲームバランスのデザイン大変だっただろうなあ」と思ったり。
ゲームの流れ
ゲーム開始時は個人ボード——自分の鳥獣保護区には何の鳥もいません。ここに手札から鳥カードをプレイして置いていくことで鳥が集う豊かな鳥獣保護区を作っていきます。
最初にボーナスカード2枚と鳥カード5枚、餌トークン5種(無脊椎動物/種子/魚/果実/げっ歯類)を受け取り、ここからボーナスカード1枚と任意の鳥カードを捨て札にします。鳥カードは捨て札にせず保持することにした枚数だけ餌トークンを捨てなければならず、鳥カードと餌トークン合わせて5個だけ残すことになります。
自分の手番にできるアクションは以下の4種類。
- 手札の鳥カードのプレイ
- 餌の獲得アクション+森林の鳥の能力を起動
- 産卵アクション+草原の鳥の能力を起動
- 鳥カードの獲得アクション+湿地の鳥の能力の起動
全てのアクションは手元にあるアクションコマを使って行ないます。このアクションコマを使い切ったら次のラウンド、4ラウンドでゲーム終了となり、点数の高いプレイヤーが勝利です。最初に所持するアクションコマは8個ですが、ラウンドが進む毎に目的カードの上にアクションコマが置かれるため、実質的に各ラウンドでできるアクションの回数は減っていくことになります。最終の4ラウンドでは5アクションしかできませんが……その代わり後半は自分のボードに集まった鳥たちの能力によって一回のアクションでたくさんの恩恵を得られるようになる、というバランスです。
「鳥カードのプレイ」アクションでは手札の鳥カードを1枚プレイしてボードに置くことができます。鳥カードはカードの左上にアイコンで示された生息地にしかプレイできず、また生息地の下に描かれた餌が必要です。例えば下の写真の「アレチノスリ」は草原エリアに置くことができ、プレイ時には無脊椎動物とげっ歯類の餌トークンを支払わなければいけません。
プレイした鳥は選んだ生息地の一番左側に置きます。最初であれば何もないので当然1列目です。アクションコマを鳥カードを置く列のボードの上部分(鳥カードのプレイと書かれた場所の横)に置き、コストを支払って鳥カードを置きます。鳥カードのプレイはこれで終了です。
ただし、2列目以降——既に鳥カードがある生息地に新しい鳥カードをプレイする場合は追加コストとして卵が必要になります。ボード上部に描かれているように、2・3列目は卵コマ1個、4・5列目は卵コマ2個が鳥カードのプレイに必要です。この卵コマは後述する「産卵アクション」や鳥カードの能力によってボード上の鳥カードの上に置かれていきます。
生息地は上から森林/草原/湿地に分かれていて、各生息地には最大で5枚の鳥カードを置くことができます。
鳥カードの能力は大きく分けて3種類。プレイした時に一度だけ発動するプレイ時能力(白の背景)、相手の手番中に発動する能力(桃色の背景)、そして「カードのプレイ」以外のアクションをした際に発動する起動時能力(茶色の背景)です。大半のカードは茶色の起動時能力を持っていて、これをどう配置するかが戦略に大きく関わることになります。
続いては「餌の獲得アクション+森林の鳥の能力を起動」。
このアクションを行なう場合はボード上の一番上の行、森林エリアを確認して最も左側の空いているマスにアクションコマを置きます。例えば何も鳥がいなければ1列目、3列目まで鳥カードが置かれていれば4列目のマスにアクションコマを置くことになります。
その後、アクションコマを置いたマスに応じて餌を獲得します。マスに描かれた餌ダイスの数だけ餌箱の中にある餌ダイスを選び、ダイスで示された餌トークンを獲得します。上の写真の例で言えば、1列目なら1個の餌ダイスを、4列目なら2個(さらに手札の鳥カードを捨てれば+1個)の餌ダイスを選び、餌トークンを獲得できます。アクションの効果は右に行くほど数が増える(=強くなる)ため、より多くの鳥カードが(ここでは森林に)置かれているほど1回のアクションで多くの利益を得ることができるわけです。
選んだ餌ダイスは餌箱の外に置かれ、以降は選べなくなります。餌箱が空になるか、残りが1種類だけになると再び全てのダイスをダイスタワーに入れることができ、再び餌箱に5個の餌ダイスが戻ることになります。
餌の獲得はこれでおしまいですが……『ウイングスパン』はむしろここからが本番です。今置いたアクションコマを1マスずつ左に動かしていきます。そしてアクションコマが乗った鳥カードが起動時能力(茶色の能力)を持っている場合、ここでその能力が起動していきます。
上の写真の例では「イスカ」の能力で各プレイヤーが種子の餌トークンを獲得し、「メキシコマシコ」の能力で手札から鳥カードをメキシコマシコの下に入れて勝利点とした上で新しいカードを引くことになります(2枚目の「カリフォルニアコンドル」は起動時能力ではないので起動しません)。
このように生息地に鳥を多く並べるほど基本アクションの効果が強くなる上、起動時能力を持つ鳥を置いていればさらなる効果を得ることができます。これによって後半になるほど1回のアクションで多くの利益を得られるようになっていくわけです。そして、これは後述の「産卵」と「鳥カードの獲得」でも同様なのです。
というわけで続いては「産卵アクション+草原の鳥の能力を起動」。
やり方は「餌の獲得」と同じで、今度はボードの真ん中の行、草原エリアを見ます。そして最も左側の空いているマスにアクションコマを置き、そのマスに応じたアクションを行ないます。
「産卵」ではマスに描かれた卵の数だけ卵コマを獲得します。ただし、獲得した卵コマはボード上の鳥カードの上に置かなければなりません。その鳥が産卵したイメージですね。[五色の○→卵]が描かれているマスでは餌トークンを捨てることで追加の卵コマを獲得できます。ちなみに卵コマは5色ありますが、ゲーム的な差は全くありません。好きな色でどうぞ。
各鳥カードはその上に置ける卵コマの上限が決まっています。鳥カードの左側中央の下側に描かれた卵の数が配置上限です。例えば下の画像の例だと「アレチノスリ」は2個、「カリフォルニアコンドル」は1個しか置けませんが、「メキシコマシコ」はゲーム中最大の6個まで置くことができます。ちなみにこの上限は実際にその鳥が一年間に産む卵の数に比例しているそうですよ?
そしてここでも、「産卵」終了後にはアクションコマを左に動かしていき、草原エリアにいる起動時能力を持つ鳥の能力を順番に起動していきます。
最後は「鳥カードの獲得アクション+湿地の鳥の能力の起動」。
やり方は同じでボードの下の行、湿地エリアで最も左側の空いているマスにアクションコマを置きます。そしてアクションコマを置いたマスに描かれたカードの数だけ鳥カードを獲得し、手札に加えます。[卵→カード]が描かれたマスでは卵コマを捨てることで追加のカードを獲得できます。
獲得する鳥カードはカードトレイ上で表になっている3枚から選ぶか、裏向きの山から1枚引くかを選ぶことができます。カードトレイの鳥カードを引いた場合は全て引き終わった後に3枚になるように補充されます。
鳥カードも手札に入れないことにはプレイできないですし、鳥の能力でボード上の鳥の下に入れたり捨てられたりとコストになることも多いのでできるだけ多く確保しておきたいところ。
その後はもうお分かりかと思いますが、置いたアクションコマを左に動かしていき、湿地エリアにいる起動時能力を持つ鳥の能力を順番に起動していきます。
こうしたアクションを1回ずつ各プレイヤーが順番に行なっていき、全員のアクションコマが無くなったらラウンド終了です。
ラウンド終了時には目的ボードの内容に応じて勝利点を獲得できます。各ラウンドの目的はゲーム開始時にランダムに決めますが、ほとんどはボード上の条件に応じた鳥カードの枚数か卵コマの数を数えるものが多いです。
目的で決められたものの数を各プレイヤーで確認し、その順位に応じて全員アクションコマを目的ボードの上に置きます。これによって勝利点を獲得できますが……このアクションコマはゲーム終了時まで置かれたままです。そのため、2ラウンド目以降は使えるアクションコマが1個ずつ減っていくことになるのです。
ちなみに目的ボードは裏面もあります。裏の青色の面では順位ではなく各自で個数を数えて獲得する勝利点を決めるので他プレイヤーの数を気にする必要がなくなります。競争が好きじゃない人はそちらもオススメです。
これを4ラウンド繰り返したらゲーム終了。最終的には、
- 自分の鳥獣保護区(ボード上)に集めた鳥の勝利点(カードの左側で羽と一緒に書かれている数値)
- ボーナスカードの勝利点
- ラウンドの目的による勝利点
- その他、鳥カード上の卵コマ、能力で蓄えた餌、能力で差し込んだカードの数の勝利点
を合計し、最も勝利点が高いプレイヤーの勝利です!
Let’s Play!
ということでお試しプレイ。『Everdell』の時と同じく父親と二人プレイで勝負です。
実は父親は高校時代には生物部部長、現在も日本野鳥の会の会員という無類の鳥好き。実際に名前を隠してカードを見てもらうと、北米の鳥なので名前までは分からないものの、「これはノスリの一種」「ヒバリだな」「こいつは……キツツキかな。ああ、コゲラはキツツキの一種よ」とほとんどの種類を当てるほど。
鳥類愛好度では完全に負けていますが、これはあくまでゲーム。負けるつもりはないと気合を入れて対戦です。
まずは鳥カード5枚とボーナスカード2枚を配って、保持するカードを選びます。できれば多くの鳥を残したいですが、プレイすることを考えると2個か3個の餌は残したい……。考えた末、ボーナスカードの「湿地研究者」に合わせて湿地のみに住む「アメリカササゴイ」と「オオアオサギ」、それと餌がいらない「ヒメコンドル」を残すことに。3枚の鳥カードを残したので、餌は必要な無脊椎動物と魚を残し、種子・果実・げっ歯類の3個を捨てることに。父親も同じく3枚の鳥カードを残してゲームスタートです。
まずは餌のいらない「ヒメコンドル」を草原にプレイ。ボーナスカードのために湿地に5枚並べることを目指すなら卵コマが必要だろうとの判断からです。ついでに「ヒメコンドル」は相手が狩猟に成功すると餌を獲得できる能力持ち。うまくいけば卵と餌の両方が手に入らないかと期待してのプレイ。
その後は「アメリカササゴイ」を湿地にプレイ。「オオアオサギ」もプレイしたいところですが、こっちはプレイ時にさらに湿地に鳥カードを追加でプレイできる能力があるため、手札と餌が揃うまで我慢することに。そこで産卵アクションで卵を増やして鳥カードの獲得で卵を消費しながら手札を増やすことに(カード獲得の2列目は卵を消費で1枚追加で引けるため)。ただ、カードトレイの上といえば……。
……うーん、湿地のみの鳥がいません。それに茶色の起動時能力が少ないし、唯一の「オオアメリカムシクイ」は餌3個とコストが重い。ここは山から引いて運に任せることに。
対する父親は草原に「ツキヒメハエトリ」(起動時に各プレイヤーが無脊椎動物を獲得)をプレイして餌を確保しやすくした後で湿地に「カオグロアメリカムシクイ」と「マガモ」をプレイ。どちらも起動時に鳥カードを獲得する能力を持っており、通常のカード獲得アクションと合わせて手札を増やしやすい態勢を整えてきます。
一方の私はこの手番での湿地の充実は諦め、一ラウンド目の目的になっている草原の鳥を増やすことに。父親が1枚から増やす様子が無いのを見て、「ムラサキツバメ」を草原にプレイします。最後に卵を増やして8アクション目となり、一ラウンド目は終了です。
ラウンドが終了したところで目的を確認します。前述の通り一ラウンド目は[草原にある鳥カードの枚数]。父親が1枚で私が2枚なので、私が1位のところにアクションコマを置き4勝利点を獲得です。父親も2位なので1点は獲得してますが。
そんな調子で第二ラウンドがスタート。私の手札はというと……。
むむむ、狙っている「湿地研究者」の対象となる湿地のみに生息する鳥が増えません。ボーナスカードには対象の鳥が全体の何%あるか書いてあるのですが、湿地のみに生息する鳥は全体の26%。4枚に1枚くらいは出るはずなら……引くしかない! 鳥カードの獲得アクションを実施します!
卵も消費して2枚ドロー。さて、引いたのは……?
引いたのはなんと湿地のみに生息する「オウギアイサ」と「カワアイサ」!
これぞ神引き。ちなみにどちらもカモの一種だそうです。
良いカードが引けたものの、森林に鳥がいないため餌の獲得が難しい状況。ボーナスカードはゲーム終了時に揃っていれば良いので、まずは餌の確保からと森林に鳥カードをプレイすることに。
まずは森林に「エボシガシラ」をプレイ。さらにプレイ時能力で続けて「エボシクマゲラ」をプレイします。「エボシクマゲラ」は起動時能力で鳥カードの枚数だけ卵を産卵し、巣穴型の巣を作る鳥の上に置くことができます。狙っていたわけではないですが、この時森林と平原に置いた4枚の鳥カードは全部巣穴型。これ幸いと森林のアクションで餌を集めつつ、同時に「エボシクマゲラ」の能力で卵も増やしていきます。
このコンボで餌と卵を獲得したところで、湿地の鳥をプレイしていきます。「カワアイサ」に「オオアオサギ」、さらにその能力で「オウギアイサ」をプレイしたところで第二ラウンドも終了です。
第二ラウンドの目的は[卵を持った巣穴型の鳥カードの枚数]。「エボシクマゲラ」の能力と合致した目的だったこともあり、今度も最多賞をゲット。
アクションコマも減ってきた第三ラウンド。私も父親も鳥カードのプレイのための餌の確保の難しさと重要性に気付いたこともあり、このラウンドは最終ラウンドに向けた準備のラウンドに。どちらも鳥カードのプレイはそこそこに餌トークンと鳥カードの確保を優先していきます。
そんなこんなで第三ラウンドは山場なく終了。お互い9羽の鳥がいる状態で最終ラウンドを迎えます。
鳥カードの上の餌トークンは蓄えとして最終的に勝利点に。
「テリムクドリモドキ」でも群れを作って勝利点を増やしていきます。
さあ、最終の第四ラウンド。私が最初に出すのは……。
「ハクトウワシ」です!
湿地のみに生息するという「湿地研究者」の対象になる上に、勝利点は9点と高得点。必要な餌が多いので第三ラウンドはこいつを出すために準備していました。見た目もカッコいいし。
ついでに能力はプレイ時に餌箱にある全ての魚を獲得するもの。この時の餌箱は……。
全部魚! 種類は違いますが消費した餌を取り戻すような状態。ラッキー。
最終ラウンドはたったの5アクションしかできません。私も父親も1点でも多く稼ぐべく何とか鳥カードをプレイしていきます。
そしてお互いにアクションコマを使い尽くしたところでゲーム終了。最終の得点計算を行ないます。
私は無事に5枚の湿地のみの鳥を並べたことで「湿地研究者」のボーナスを満点獲得。
その他、鳥カードや集めた餌や群れの点数も含めて総合計。さて、得点は——。
92対75で私の勝利!
やはり鳥カードの枚数と「ハクトウワシ」のような高得点の鳥の点数が大きかったようです。
プレイ後の感想
遊んでみると手番にできることやゲームの要素は思った以上にシンプル。簡単に言ってしまえば餌と卵を集めて鳥をプレイするだけ。
しかし、それをより高得点を目指してプレイするのはとても考えさせられます。何せアクションができる回数が思った以上に少ない。前半は1アクションで1〜2個の餌や卵しか手に入らない上に鳥カードは平気で2〜3個の餌を要求してきます。その上、鳥カードは1アクションで1枚しかプレイできません。そのため最初はできるだけ餌が少なく起動時能力を持つ鳥を集めたいのですが、そうした鳥は点数が少ない。点数が少ない鳥でアクションを使いすぎると高得点の鳥を出すタイミングを失いかねません。
そして後半になって気付いたのが各生息地にプレイできる限界の5枚という枚数の絶妙さ。全体でも15枚が限界なので、あまり安い鳥で埋めすぎると得点の高い鳥がプレイできる場所が無くなります。かといって地道にアクションを使って高得点の鳥を出そうとすると、そもそも鳥カードの枚数が少なく、やはり高得点にはつながりません。
そして何より鳥カードの多さ。やりたいことがあっても引き運次第ではどうにもできません。獲得できる餌もダイスで決まるので必ず欲しいものが出るとも限らない。そのため、目的ボードの目的を鑑みて複数の道筋を描きながら、引いたカードや集められる餌に対して柔軟に対応していくプレイングが必要となりそうです。父親も「何度かプレイしてカードの種類や能力がある程度把握できたらもっと面白そう」とのコメント。
目的ボードの順位決めくらいはありますが、基本的に相手を邪魔するような行動はできないので、お互いに自分の点数を高め合う競争型のゲームですね。直接的な邪魔し合いや妨害などのドンパチが好きじゃない人でも快適に遊べるでしょう。そういうことが好きな人には物足りないかも知れませんが。
シンプルながらも限られた選択肢から上手に鳥の生態系を鳥獣保護区に作り上げ、その能力が流れにピタッとハマった時はなかなかの爽快感があります。運と戦略性のバランスが良い感じ。さすが受賞ゲーム。
そんなゲーム性ももちろんですが、見た目にも楽しいのがとても良い。いつも以上に写真を撮ってしまいました(笑)。無意味にカラフルな卵も遊んでみるとゲームにマッチしている気がします。最後に自分の鳥獣保護区に並んだ鳥たちを見て「いろんな鳥がいるなー」と嬉しく思えるのも、美麗なイラストやカラフルなコンポーネントの雰囲気によるものだと思います。
しっかりとしたゲームでありながら、「自然っていいな」という気持ちを思い出させてくれる良い雰囲気のゲーム、『ウイングスパン』。鳥好きの方もそうでもない方も、皆さんで遊んでみてくださいね。
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